成長過程の中で、感情が正しく認識されず、受け入れられなかったり、ニーズが適切に把握されず、対応されていない場合、私たちは自分をないがしろにしています。(yosan / PIXTA)

本当の自分を見失ってない? 他人の前で操り人形にならないで

成長過程の中で、親兄弟や友人らから、感情が正しく認識されず、受け入れられなかったり、自分に取って大事な事の必要性が、適切に理解されずに、または把握されていない場合、私たちは適切に対応できずに、逆に自分をないがしろにしてしまうことがあるのです。

『姫は前を見て歩く』というある物語では、このような状態を「クローゼットに閉じ込められた女の子」として描いています。この物語の主人公はおしゃべりで、おてんばで、踊ることが大好きな女の子ですが、彼女の両親がそんな自分を恥じることが分かっていたので、彼女は「自分」という象徴をクローゼットに閉じ込めてしまうのです。そうして、両親の期待に答え、自らを正真正銘の箱入り姫として、自分を偽ってしまったのです。

これは私たちの成長環境においても、親や先生から、子供であることを否定され、大人になることを要求されるなど、特別なケースではなく、逆によく見られるケースなのです。人に好かれるために、私たちは「本当の気持ち」を隠し、「相手が求めること」を無意識に選んでしまうのです。それは直感で自分に反することかもしれません。自分の意に反していても、期待されることをしてしまう……。

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