米国務省は3日、ランバート国務副次官補が北京で中国の洪亮・外務省国境海洋事務局長と会談したと発表した。10月4日撮影(2023年 ロイター/Adrian Portugal/File Photo)

米、中国の海洋「危険な」行動に懸念 首脳会談にらみ高官協議

[ワシントン 3日 ロイター] – 米国務省は3日、ランバート国務副次官補が北京で中国の洪亮・外務省国境海洋事務局長と会談したと発表した。南シナ海を含む海洋問題について「率直な」協議を行い、米国は中国の「危険で違法な」行動に対する懸念を強調したという。

米中両国は11月中旬に米サンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に米中首脳会談を実施することで調整中。事前調整の一環として、高官レベルの会談が行われている。

米政府は今回の会談について「コミュニケーションラインを維持し、責任を持って米中関係を管理する取り組みの一環」とし、「誤解と誤算」を回避するために、米中の軍隊の対話を再開する必要性を強調したとした。

その上で、中国などが領有権を主張する南シナ海や東シナ海の問題を含むさまざまな海洋問題が取り上げられ、「実質的、建設的、率直」な協議が行われたと言及。「南シナ海における中国の危険かつ違法な行動に対する懸念を強調した」とした。

関連記事
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。
鬼木誠防衛副大臣は29日、フィリピンを訪問し、同国のテオドロ国防相と会談した。日本がフィリピンに供与する移動式警戒管制レーダー2基目の引き渡し式典にも出席した。東アジア地域における中国共産党の拡張に対して連携して抑止を図る。
4月22日、アメリカとフィリピンは合同軍事演習「バリカタン(肩を並べる)24」を開始した。演習は、台湾海峡の近くで初めて行われ、中国の脅威に対する明確な対抗措置と位置づけられている。これまでにない大規模なものとなった。
8日、エマニュエル駐日米国大使と山上前駐オーストラリア日本大使が、日米同盟の重要性を力説した。エマニュエル大使は、「新型コロナウイルス感染症」「ロシアのウクライナ侵攻」「中国の威圧的行動」という「3つのC」が世界を変えたと指摘。日米両国がこの2年間で70年来の政策を大きく転換したことに言及し、「日米同盟は新時代を迎えている」と強調した。
日本、フィリピン、米国の首脳は4月中旬に連続してホワイトハウスで首脳会談を行い、国際法の支配を守り、自由で開かれたインド太平洋を推進し、地域の進歩と繁栄を支援するという共通の決意を表明した。