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米議会諮問機関、輸出規制下でも中国が先端半導体製造装置を購入と指摘

Alexandra Alper

[ワシントン 14日 ロイター] – 米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は14日公表した年次報告書で、米国製の先端半導体製造装置の輸出を規制したにもかかわらず、中国企業が購入を続けていると指摘した。

昨年10月に導入された規制では、中国の半導体メーカーは回路線幅14ナノメートル以下の先端半導体を生産する目的で米国製の半導体製造装置を入手することは禁じられている。

しかし報告書によると、中国の輸入者はより古い半導体の生産ラインに使うと主張すれば先端半導体製造装置を買えるケースが少なくない上に、最終用途が正しいかどうか検査する能力が限られるため、本当に先端半導体の生産に使われていないと証明するのは難しいという。

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は最新スマートフォンに同国最大手半導体メーカーの中芯国際集成電路製造(SMIC)製の7ナノメートル半導体を搭載したと発表し、米国側は中国がどうやってそうした先端半導体を生み出すことができたのか躍起になって調べている。

SMICは昨年10月よりも前に購入した製造装置でこの先端半導体を生産した可能性がある、というのが専門家の見立てだが、報告書は海外から製造装置を入手するには別の選択肢もあったと説明。米国が昨年10月に輸出規制を導入してから、日本とオランダが今年7月と9月に同様の措置を講じるまでの時間差を中国がうまく利用して、製造装置を確保したと分析した。

報告書では、中国が今年1─8月にオランダから輸入した半導体製造装置は総額32億ドルで、前年同期比96.1%も増加した。中国が1─8月に全外国から輸入した半導体製造装置は138億ドルに達した。

今回の報告書は、米国の輸出規制の抜け穴をふさぐ具体的な対策は提言していない。ただ米議会が政府監査院(GAO)に対して6カ月以内に輸出規制の効果を検証するよう求めている。

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