攻撃的な心は恐れの反映

攻撃的な野良犬を忍耐と愛情で手なずける

野良犬が、動物保護者の忍耐と、チキンナゲットという特別なおやつで、穏やかで愛情深い性格になり幸せになったお話です。

マグノリア(Magnolia花の名、モクレン属)と名付けられたこの大型犬は、路上で迷っていた野良犬でした。動物管理者によってサンフランシスコの保護施設に連れてこられました。しかし、このベルジアン・マリノア(シェパードの1種)は、通常は警察が使用する品種であり、攻撃性が非常に高く、保護施設のスタッフですら数週間の間、この犬に触れることができなかったほどです。

36歳のWolfMother K9救助サービスの創設者であるサハライ・サラザール(Saharai Salazar)さんはエポックタイムズに語りました。

「マグノリアがやってきたとき、スタッフに対して非常に攻撃的な行動をしていました。これは多くの犬にとって一般的なことです。犬は何が起こっているのかわからず、この見知らぬ場所に、誰が、何のために自分を連れてきたのかもわからないのですから。通常、私たちは数日間ストレスを減らして、リラックスする時間を与えるのですが、彼女は非常に緊張し続けていて、誰も彼女に触れることは出来なかったのです」

しかし、サラザールさんは経験豊富なトレーナーなので、自身も犬に噛まれて入院したこともありますが、徐々に犬の信頼を得ていきました。最終的にはマグノリアは温かい家族が住む家に収容されることになったのです。

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1月に入所した時、マグノリアの感情は非常に不安定でした。そのため、犬舎のチームの誰もが安全にその柵の中に入ることはできなかったほどでした。彼らは、遠くから餌を与えることしかできず、犬のリードも解けませんでした。

サラザールさんは、「この大きな犬は歯を剥き出し、吠えたり咆哮したりし、人を噛もうとしました。状況は、非常に深刻で激しいものでした」と、その時を振り返ります。

別のトレーナーが訪れた時、彼の意見ではマグノリアを安楽死させるべきだと言いました。しかし、犬のケアを20年間行ってきたサラザールさんは、マグノリアの問題の根源が、「恐れ」にあることを知っていました。サラザールさんは、日々の観察から、犬の折れ曲がって平らになった耳、丸まった尻尾、後退する様子などから、非常に人間を恐れているサインを捉えたのです。

サラザールさんの最初の戦略は、徐々にチキンナゲットやホットドッグなどの食べ物を与えることでした。「これらの食べ物は本当に美味しいのです。彼らは普段ドッグフードしか食べないので。私は本当に特別な関係を構築しようとして、特別なものを提供したかったんです」とサラザールさんは語りました。

最初は、マグノリアのそばに座り、身体は背けて直接には向き合わず、犬が脅威を感じるのを減らしました。徐々に、毎週のトレーニングでマグノリアは怒りを減らしていき、少しリラックスしてきました。3回目のトレーニングでは、状況が大きく変わりました。

「その時、私が犬舎に向かって歩いていたところ、マグノリアが近づいて来て、しっぽを軽く振って匂いを嗅いでいました」とサラザールさんは最初の変化を回想します。

犬舎の扉を開け、サラザールさんは外に座りました。マグノリアは非常に慎重に、自分のおやつをとりに外に出てきました。サラザールさんは犬に触ろうとせず、犬にスペースを与えるだけにしたのです。しばらくして、サラザールさんは、マグノリアにおもちゃを投げて遊ぼうとし始めました。それにマグノリアは答えて、愛情を表すようになりました。その時から、最高の友達になったのです。

「多くの人々は、私がマグノリアの攻撃行為を褒めていると考えています。犬が吠えたり人を噛んだりすると、私がそれを褒めていると言うのです」とサラザールさんは分析し、恐れに基づく攻撃行動と本来の攻撃行動は異なり、特別な対処が必要だと分析しました。

「多くのトレーナーや飼育員は、犬が人を噛もうとしたり逃げ出そうとすると、それを制止しようとします。一般的な考え方として、犬を制御しなければならないとか、誰がボスかを示さなければならないというものです。しかし、実際には、マグノリアが自分自身で私と交流したいかどうかを選ぶことで、彼女の成長をより早めることになるのです。私がもし、無理やり押し付けた場合、逆に10歩後退するのです」

サラザールさんによると、最も素晴らしいことは、愛情、思いやり、理解を示す人が1人いると、他の人にも扉が開かれることです。

まず、サラザールさんは、婚約者で動物管理員のナサニエル・ヴァレンティ(Nathaniel Valenti)氏と一緒に、マグノリアを連れて散歩し始めたのです。ナサニエル氏は数年前にこの婚約者サラザールさんと保護施設で出会いました。

やがて、勤めているこの施設では、残念ながら犬を無期限に保護できないことを知って、二人は、マグノリアを一時的に自宅に連れて帰ることを決めたのです。

避難所を離れ、新たな家庭環境に入った後、マグノリアは健康に成長し始めました。歯の検査から、この犬は生後約18か月で、誰かと一緒に多くの場所に行き、家族に会ったり、用事を済ませたり、さらにはキャンプも一緒に出かけていたことがわかりました。どこに行っても、マグノリアは完璧に振る舞うのです。

「明らかに、誰かがこの子にトレーニングを施しており、命令に対する反応が非常に敏感なのです」と、サラザールさんは述べました。

マイクロチップが埋め込まれていなかったため、マグノリアの過去は不明です。しかし、マグノリアの将来は、安全で明るいものになるでしょう。この保護施設はInstagramで8万人以上のフォロワーがおり、このマグノリアの物語をシェアし、大きな反響を呼びました。

南カリフォルニアからの一組の夫婦が、マグノリアに興味を持ちました。彼らと会って、マグノリアと交流する機会を与えた後、保護チームはこの新しい家族と一緒にいることが、幸せで安全であると判断したのです。数週間後、彼らは途中で出会い、マグノリア(今はナラと呼ばれています)は彼女の本当のホームに到着したのです。

お別れは非常に辛いものでした。

「私たちは、涙を流しました。事が起こる前から涙を流していました。これは幸せな涙で、常に喜びと悲しみが入り混じっています。私たちはマグノリアが最高の家を見つけたことを非常に喜んでいます」とサラザールさんは語ります。「これがマグノリアの生涯を過ごす運命の場所です。私たちだけがこのようなつながりを築けたのです」

「私たちは失敗することも考えました。すべてがうまくいくわけではありません。私たちはマグノリアと一緒に勝利を手に入れました。最初は誰もが、私たちがこの犬と一緒にこれを達成することは不可能だと考えていました。しかし、私たちは一緒に挑戦したのです。多くの人々のサポートが必要でした:スタッフ、マネージャー、私の婚約者、私の家族、彼の家族、里親たちが『はい、この子にチャンスを与えます』と言ってくれたのです」

サラザールさんは、マグノリア(ナラ)の新しい飼い主と連絡を取り合い、マグノリアが、南カリフォルニアでの新しい生活を楽しんでいる様子をライブでみています。「このラッキーな子犬は他の2匹の犬と一緒に暮らし、毎朝、運動好きな家族と一緒にランニングを楽しんでいます。マグノリアは非常に愛らしく、少し慎重な性格を持っています。人懐っこい性格で、少し時間はかかりますが、慣れると甘えん坊です。マグノリアはベッドの中でくつろぐのが好きで、すべての時間を家族と一緒に過ごしています」とサラザールさんは語りました。

「マグノリアは新しい環境でも、エネルギッシュで活発で、外での新しい環境で自信に満ちています。そしてどこに行っても探索するのが大好きです」

「そこで健全に育っています。マグノリアはすべてのトレーニング、そして犬らしくありのままでいる機会を得て、運動、愛情、機会を与えられました。マグノリアは新しい飼い主を愛し、彼らとの関係は非常に強固になったのです」