中共と欧米の対立が真核する中、中国の高等教育機関で学ぶ米国人、韓国人が激減した(STR/AFP via Getty Images)

米、韓留学生の中国離れ 反スパイ法や防疫対策が原因?

ここ数年、中国共産党(中共)と欧米諸国、日本、韓国との緊張や、中共が新型コロナ流行時にゼロコロナ政策を実施したことで、中国に留学する米国人や韓国人の留学生数が激減している。

韓国の聯合ニュースによると、韓国教育部が12月25日に発表した「海外高等教育機関における韓国人留学生の現況」報告書では、4月1日現在、中国の学部、大学院、語学留学している韓国人留学生は1万5857人だった。前年同期比で6.5%減少となった。中国に留学している韓国人留学生のピークだった2017年(7万3240人)に比べ78.3%激減し、韓国人留学生全体に占める割合も徐々に縮小している。

今年、合計12万3181人の韓国人が海外に留学しているが、そのうち12.9%が中国に留学しており、前年比で0.7%減少し、2004年(12.6%)以来の最低水準となった。

これに先立ち、ニコラス・バーンズ駐中国米国大使はワシントンのブルッキングス研究所での講演で、「6、7年前には」中国に1万5千人の米国人留学生がいたが、2022年には350人にまで減少したと述べた。

ここ数年、米中の学生交流は、コロナ(大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)のパンデミックや、中国滞在に対する安全保障上の懸念の高まりによって中断されている。

米国務省は6月30日、中国、香港、マカオへの渡航に関する勧告を更新した。現地の法律の恣意的な執行によって、不当に拘束される恐れがあるとして、これらの地域をレベル3(渡航の再考)に指定した。

この勧告では、「ほとんどの場合、米国民は中国を出国しようとしたときに初めて出国禁止を知ることになり、そのような出国禁止措置がいつまで続くかを知るための信頼できるメカニズムや法的手続きはなく、裁判で異議を申し立てることもできない」と強調している。

ジョンズ・ホプキンス南京大学 中米文化研究センターの学生、ブロック・ミューレン氏は、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の電話取材に対し「(このプロジェクトの)目標は、年間100~150人の米国人学生を入学させること。しかし、ここ(南京)には30人ほどの米国人学生しかいない」

米国の学生が中国への留学をためらう要因として、中国の監視システムの影響があげられる。すなわち、中国当局に恣意的に拘束されることへの懸念だ。

ミューレン氏はこのように説明した。

「(一部の米国人学生が)中国に来ることに不安を感じる主な理由は、監視されているのではないかという恐れと、外国人が恣意的に刑務所に入れられたり、出国禁止措置を受けたりした話を聞いたことだ」

聯合ニュースは、中国に留学する韓国学生が減少しているのは、主に中国の急速な経済成長の鈍化と、中国(共産党)の厳しい防疫対策によるものだと分析している。

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