中国サッカー代表チームの元監督、李鉄氏が中国代表監督に就任するために賄賂300万元を渡った (Christopher Pike/Getty Images)

中国サッカー界にも蔓延る汚職 元選手が賄賂で中国代表監督に就任 

中国サッカー選手の李鉄氏は中国代表チームの監督になるために300万人民元(約6千万円)の賄賂を渡したことが明らかになった。

同氏は以前、2つの中国甲級サッカーリーグ(中甲)チームを上位リーグにあたる中国スーパーリーグ(中超)に昇格させる過程で、賄賂と不正行為に関与した。

中共(中国共産党)の官製メディアが最近放送した「反腐敗」特集動画では、元国家体育総局副局長で元中国サッカー協会党書記の杜兆才氏、元中国サッカー協会会長の陳戌源氏、元中国男子サッカー代表監督の李鉄氏など、サッカー分野における一連の汚職事件が明らかにされている。

中国代表監督の座を狙っていた李鉄氏は、卓爾サッカークラブを説得し、当時の中国サッカー協会会長の陳戌源氏に200万元(約4千万円)の賄賂を渡した。李氏自身も、当時の中国サッカー協会幹事長だった劉毅氏に100万元の賄賂を贈った。

中国代表の監督に就任した翌日、李氏はすぐに武漢卓爾サッカークラブと交渉し、6千万元(約12億円)の契約を結んだ。つまり、6千万元の引き換えに、李鉄氏は卓爾サッカークラブの選手4人を国家代表にした。

李鉄氏が代表チームの監督になったのは、賄賂の他に、河北省華夏幸福クラブのチームを2度にわたって中国スーパーリーグ入りに導いたことも原因の一つだ。

2015年8月、李氏は華夏幸福クラブの監督を務めた。当初、華夏幸福クラブの中国スーパーリーグ(中超)昇格の見通しは明るくなかったものの、シーズンの最後の8試合で驚異の「8連勝」を達成し、僅差で競争相手を上回り昇格に成功した。

調査によると、この成功のために華夏幸福クラブが相当な資金を投じたことが判明した。

華夏幸福クラブの元会長・孟建氏は、「最後の試合で1400万元(約2億8千円)を使った。当時は深センチームクラブ、その監督や選手、すべてに話をつけた」と顧みた。

深セン宇恒クラブ(現深センチーム)は正式に華夏幸福から巨額の資金を受け取り、八百長をすることに同意した。 

同時に、念のため、李鉄氏のコーチングチームは直接相手チームの選手を買収した。 李鉄氏はアシスタントコーチの鄭斌氏に、鄭斌氏の友人、深センチームの先発選手である李飛氏に接触するよう指示した。李飛氏は600万元(約1億2千円)と引き換えに、深センの主力選手を買収することを要求し、華夏幸福はこれに同意した。

2022年11月、中国男子サッカー代表チームの前監督、李鉄氏が取り調べを受け、その後、中国サッカー協会の十数人の高級・中級幹部が相次いで審査・調査を受けた。

その後、2019年8月22日、河北省の香河国家サッカー訓練基地で、陳戌源氏が第6代中国サッカー協会会長に指名された。 彼が選出される前夜、地元のサッカー協会の責任者2人は、面倒を見てほしいとそれぞれ30万元(約600万円)の賄賂を渡った。任期中、陳氏は多くのクラブから数千万元を受け取っていた。

元国家体育総局副局長で元中国サッカー協会党書記の杜兆才氏も同様だった。

1月9日、李鉄氏の賄賂スキャンダルに関する多くのフレーズがトレンドワード入りした。

ネットユーザーは「このような汚職は、これら数人規模のわけがない。 クラブの青年育成プログラムにも腐敗が蔓延している」と指摘した。

「がっかりした。これが私がみてきた中国サッカーと中国スーパーリーグなのか。全部八百長だ。本当に辛い。中国のサッカーファンとしては情けない」との声も上がっている。

関連記事
亡命している元内モンゴル自治区の官員、杜文さんが、中共が隠蔽している感染病の厳しい現状を暴露した。フフホト市にある第3刑務所では結核が大流行し、多くの受刑者が亡くなっている。しかし中共はその事実を隠し続けている。
中国共産党の内部告発者によれば、党首である習近平はフェンタニル生産に関して明確な指示を出し、公安部の王小洪部長に関連部門を統括して、生産支援を強化しつつ、アメリカへの輸出ルートを拡大するよう命じたという。
中国経済の後退に伴い、地方政府は借金問題に直面し、給与の未払いや削減が中国で広がっている状況だ。各地の公務員は報道機関に対し、給与が減額されたり、支払いが滞ったりしている実態や、退職者の年金が遅配されたり、減額されている事実を訴えている。ネット上では、「公務員の安定した仕事(鉄の飯碗)は名ばかりで、実際には中身が伴っていない」と皮肉交じりにコメントされている。
北京にある清華大学が4月下旬に創立113周年を迎え、記念イベントには多数の卒業生が参加した。しかし、学校周辺の […]
中国では年間800万人が行方不明者となり、その背後には強制的な臓器摘出の疑いが指摘されている。今年5月1日に施 […]