インド太平洋軍司令官アキリーノ海軍大将は選挙後の台湾に対する中国共産党の武力行使の警戒を促した。写真は23年4月撮影(@INDOPACOM)

米司令官、中国共産党は「好まぬことに行動に出る傾向」台湾への武力行使を警戒

米インド太平洋軍司令官のアキリーノ海軍大将は16日、ハワイで開催された太平洋フォーラムの基調講演で、中国共産党が「近い将来に台湾に対して武力を示す可能性がある」と述べた。最近の台湾選挙の結果は党の望む結果ではなく、過去数年の傾向で「好まない何かが起こると行動に出る」とし、警戒を促した。

「台湾に対する圧力行動は続くだろう。私たちは選挙後の状況を注視している」と、アキリーノ氏の言葉が米軍事ニュースサイト、ディフェンス・ワンによって伝えられた。「過去数年にわたって、彼ら(中国共産党)の行動は一貫している。彼らは好まない何かが起こると、行動に出る傾向がある」と同氏は述べた。

2022年8月、ペロシ米下院議長が台湾を訪問した後、中国共産党がミサイルを放ち軍事的圧力を増加させた。アキリーノ氏はこれについて「明らかに不快感を示した」と述べた。

また、中国共産党の情報戦についても指摘。「彼らは情報空間で物語を作り上げ、米国を挑発者として描写しようとするだろう」、「情報空間を非常に上手く操る。真実である必要はない。十分に繰り返し言えばよいだけなのだ」と述べた。

14日投開票の総統・立法委員(国会議員、定数113)選挙では、「独立派の双子」と中国共産党が指摘する民進党の総統候補、頼清德氏と副総統候補の蕭美琴氏が勝利を納めた。共産党は否定的なコメントを出している。

中国本土で台湾との関係事務を行う国務院台湾事務弁公室(国台弁)は、頼清德氏が勝利しても民進党が議席の過半数を占めることができなかったとして、「主流民意を代表していない」と主張。外交部も、日本を含む多くの国が祝福の声明を発表したことに、「内政干渉」だとして強く反対した。

有識者は、5月20日の総統就任式前に段階的に圧力を増大させると予想している。

台湾の公使たちは、頼清德時期政権が対中国共産党に「ことを構える」姿勢ではなく、現職の蔡英文総統の「現状維持」路線を継続すると強調する。

「私たちは挑発者ではないと強調しなければならない。私たちは台湾海峡で波を荒立て、緊張を高める者ではない」と、台湾の駐米代表(大使に相当)俞大㵢氏は、18日に米ワシントンで行われたAP通信の取材に対して述べた。

俞大㵢氏は、台湾の人々は現在の暮らしを維持したいと考える人が多数であり、これが新政権の政策指針になると強調した。「統一でも独立でもない。現在の状態こそが私たちが望む暮らし」と述べた。

俞大㵢氏は先日、米国議会の両党の議員との密接な会合を重ねた。米下院の台湾コーカス(親台湾派議員連盟)の4人の共同議長、そして「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」議長のマイク・ギャラガー下院議員らと面会した。

ギャラガー氏は俞大㵢氏との面会ののち、中国製SNSの「TikTok(ティックトック)」を通じた中国共産党の影響工作について意見交換した。

台湾のカナダ代表部の曾厚仁代表もまた、台湾選挙後の朝食座談会を開催し、日米など多くの国の使節を招待した会を開催。台湾中央社21日付の報道によると、曾厚仁氏は中国共産党による台湾への圧力の手法について出席者と共有した。

具体的には、▼台湾と国交を結ぶ国を金銭的支援で断交させる▼再び台湾に対して実弾軍事演習▼両岸経済協力枠組協定(ECFA)下での台湾製品に対する優遇関税の中止と経済的脅迫▼国際スポーツ競技や文化活動で台湾の参加を阻み、台湾の民間団体が国際非政府組織の活動に参加するのも妨害する▼などを挙げた。

いっぽう、曾厚仁氏は不屈の姿勢を強調した。「中国共産党がいかなる手段を使って圧迫しても、台湾の有権者は今回の選挙での威圧を断固として拒否し、台湾人民の恐れない精神を示した」と述べた。

台湾中央社によれば、出席した日米豪の公使らは民主主義的な選挙の実施を称えた。台湾議連や米議員らは近日にも台湾を訪問する予定で、新政権との関係構築に動いている。

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