天然の甘味料もいいね。

専門家による砂糖断ち方法(2)砂糖の代わりに果物や甘味料

私たちは、知らないうちに、糖質を摂りすぎているかもしれません。

では、どうやって砂糖をやめるのでしょう?専門家がすすめるのは、まず砂糖を減らし、それから砂糖をやめること。

砂糖の代わりになる健康的な天然・人工甘味料

1.ステビア甘味料とモンクフルーツエキス

砂糖の摂取は、基本的に味の追求です。それなら、ステビアやモンクフルーツエキスのような甘味料で、自然な甘味への欲求を満たしてみてはどうでしょう。コーヒーや紅茶に加えたり、料理に使ってみてください。

ステビア(Dionisvera / PIXTA)

精製された砂糖とは異なり、ステビアとモンクフルーツエキスのグリセミック指数(GI値:食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値)はほぼゼロです。多くの研究は、この2種の天然甘味料には血糖値を安定させる働きがあり、糖尿病の管理に役立つ可能性さえあると示唆しています。さらに、ステビア甘味料は血圧や血中脂質を低下させるほか、抗炎症作用や抗酸化作用もあります。モンクフルーツエキスは新型コロナ感染症やがんなどの症状にも効果があることが判明しています。

しかし、動物実験によると、ステビアを長期的に摂取すると、肝臓や腎臓に悪影響を与えたり、腸内フローラを変化させたりする可能性が示唆されています。一方、他の研究では、ステビアは慢性腎臓病患者に有益であり、肝臓や腎臓の損傷を改善する可能性が示されています。

純粋なステビアとモンクフルーツの甘さは、通常の砂糖の数百倍ですが、スーパーでよく見かける粉末状のものは、一般的に他のベース成分とブレンドされているものです。例えば、ステビオール配糖体1パーセントにエリスリトール(化合物および糖アルコールの一種である。食品添加物砂糖の代わりに使われる。トウモロコシを原料)99パーセントを混ぜたものがあります。これらの製品の使用法と量は、通常の砂糖と同様です。とはいえ、なるべくパッケージに記載されている使用上の注意をよく読み、使用量を確認した方がいいです。液体ステビアやモンクフルーツ製品も同様で、推奨量が異なる場合があります。1滴でティースプーン1杯分の砂糖の甘さに相当するものもあれば、同じ甘さには10滴や数ミリリットルを使う必要があるものもあります。

2.カロリーゼロの人工甘味料

アスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどの人工甘味料は、砂糖ゼロと表示された加工食品や飲料に砂糖の代用品としてよく使われています。しかし、多くの研究で、これらの甘味料は代謝症候群(メタボリックシンドローム⦅英: Metabolic syndrome⦆とは、内臓脂肪型肥満⦅内臓肥満・腹部肥満⦆に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態をいう)を引き起こし、腸の健康に害を及ぼし、潜在的に発がん性がある可能性さえあることを発見しています。

3.はちみつ、メープルシロップ、ココナッツシュガー

天然の糖類も優れた選択肢のひとつです。例えば、はちみつは砂糖と同じように扱われることが多いですが、適度に摂取すれば血糖値を安定させる効果があります。さらに、何千年もの間、抗菌・抗ウィルス剤として薬用にも使われてきました。マヌカハニーなど特定の種類は、他のはちみつに比べて抗菌作用が高いのです。

ココナッツシュガー (Jiri Hera / PIXTA)

また、カエデの木から採取されるメープルシロップは、独特の風味で多くの人を魅了し、豊富な栄養素を含んでいます。ココナッツシュガーには抗炎症作用と抗酸化作用があり、心臓の健康に寄与します。

一般的にははちみつは砂糖の1.3倍の甘味があるので、砂糖150グラムの代わりに、105〜120グラムの蜂蜜をつかい、メープルシロップであればはちみつより少し多め、10%増し、115から132グラムなります。

註:大さじ1杯のはちみつの重さは約21グラムですが、大さじ1杯の砂糖は約9グラムとかなりの違いがあります。一度、上のようにどちらもグラム数に直して計算すると良いでしょう。
 

はちみつ(shige hattori / PIXTA)

一部の食材にも甘味があります。例えば、甘草の根には自然な甘みがあり、お茶にすると健康によいのです。ナツメヤシや乾燥したクコの実(ゴジベリー)など、自然な甘みを持つ食材をお茶やスープに使うと、甘さと香りの両方を楽しむことができます。

なつめやし、クコのみ(keechuan / PIXTA)

多くの専門家がインタビューで、最も安全で最善の方法として、家での調理を薦めています。無糖のヨーグルトやプレーンオーツ麦など、砂糖不使用の自然な食材を選び、適量の比較的自然な甘味料で甘みをつけます。

4.デザートをフルーツに置き換える

デザートやお菓子が大好きな方は、「甘い物やお菓子を新鮮なフルーツに置き換えることが良い方法です」スイスのローザンヌ大学生理学科の名誉教授であるリュック・タッピー博士は電子メールで、果物の選択にはほぼ制限がないと述べました。

最も一般的なブルーベリーやバナナから、珍しいドリアンやマンゴスチンまで、果物の種類はたくさんあります。同じ果物でも熱帯と温帯では品種が違いますし、デザートにする方法もたくさんあります。 本当に掘り下げてみれば、甘みへの欲求を満足させ、思いがけない素晴らしい味を生み出すことができることに気づくでしょう。

フルーツサラダ(kueqa / PIXTA)

オランダのワーゲニンゲンの栄養と疾病学の主任教授であるエレン・カンプマン氏は、エポックタイムズ』紙に、

「人々が果物を食べ過ぎるのを心配していません。一般的に言って、果物のカロリーはそれほど高くはありません」

と語りました。

Nana / PIXTA

しかし、タッピー博士は、分量に注意することの重要性を指摘しました。砂糖の摂取量を減らす場合、最初は1日3皿までの新鮮な果物を摂取することが推奨され、その後2皿まで減らします。2021年に発表された包括的な研究では、1日2皿の果物が比較的健康的な摂取量とされています。米国農務省が 2020年に発表した「20202025 食事ガイドライン」によると、1皿は通常、約80グラム中サイズの果物1個です。

腎臓専門医のファン博士は、現在私たちが摂取している果物は一般的に、50年前よりはるかに甘くなっており、糖分が増加していることを示していると指摘しました。特に血糖値に問題がある人や砂糖依存症の人は、低GIの果物を選び、ぶどうやバナナのような糖度の高い果物は避けるべきです。

(mao / PIXTA)

調理法も果物の糖度に影響します。ドライフルーツは天日干しや脱水の過程で収縮します。リンゴを1個食べれば満腹になるかもしれませんが、リンゴのチップスを食べれば、気づかないうちに脱水リンゴを2個も3個も簡単に食べてしまうかもしれません。ドライフルーツを食べるときは、元の果物の大きさで計算しなければなりません。また、フルーツジュースは複数の果物の糖分を濃縮し、食物繊維をろ過しています。オレンジジュース1杯(約230ミリリットル)で、オレンジ3個分の糖分とカロリーを摂取していることになります。

果物だけでなく、ルッソ氏は、伝統的なデザートの代わりに、食後に砂糖の少ないダークチョコレートを少しだけ食べることも良いと述べました。これは満足感を与えるだけでなく、儀式感も与えてくれます。ダークチョコレートにはマグネシウムが豊富に含まれており、多くの女性が生理前にチョコレートを欲するのは、このミネラルの不足が原因であることが多いのです。
 

つづく