米ニューヨーク州南部地区の連邦地方検察局は21日、放射性物質のウランや核兵器の製造に使われるプルトニウムを密輸した容疑で、日本の暴力団幹部エビサワ・タケシを起訴した。写真は容疑者がおとり捜査官に送った写真(米ニューヨーク州南部地区連邦地方検察局提供)

米検察、「ヤクザ」幹部を放射性物質取引の容疑で起訴 地対空ミサイルの密輸も画策か

米ニューヨーク州南部地区の連邦地方検察局は21日、放射性物質のウランや核兵器の製造に使われるプルトニウムを密輸した容疑で、日本の暴力団幹部エビサワ・タケシを起訴した。エビサワ被告は地対空ミサイルや銃火器の密輸等の重罪にも問われている。

地検の発表によると、被告は仲間らと共謀のうえ、ミャンマーから他の国へ放射性物質を密輸した疑いが持たれている。米麻薬取締局(DEA)のおとり捜査官は「放射性物質を入手しようとするイランの将軍」という身分でエビサワ容疑者に接触し、サンプルを入手。米核鑑定研究所に分析を依頼したところ、ウランと兵器級のプルトニウムであることが確認された。

地検は被告の犯行について「(放射性)物質が核兵器の開発に使用されると確信を持ちながら犯行に及んでいた。彼が密売した兵器級のプルトニウムは、十分な量が生産されていれば、(軍事)目的に使用できた可能性がある」と強調した。

さらに、被告は地対空ミサイルを含む兵器の密輸も画策しており、「これらの取り組みが成功した場合の結果を想像するとゾッとする」と糾弾した。

地検のマシュー・G・オルセン司法次官補は、「被告人はミャンマーの兵器級の放射性物質と致死性の麻薬を販売し、武装勢力のために軍用兵器を購入しようと共謀した罪で起訴されている」と指摘した。

被告が「大量の放射性物質を売りたい」と持ちかけたのは2020年初頭だという。同年後半には、放射線を測定するガイガーカウンターを近づけた鉱石の写真や、鉱石の成分を解析した資料などをおとり捜査官に送った。エビサワ容疑者はさらに、ウランよりも「強力な」プルトニウムを提供すると提案していたという。

共謀したソンポップ・シンハシリ容疑者は、国際的な麻薬取引等の容疑で昨年4月に起訴され、ともに米国で拘留されている。両被告は近日中に出廷する予定。

関連記事
昨年夏、州弁護士会はチャップマン大学ロースクールの元学部長であるイーストマン氏を、2020年の大統領選挙後にドナルド・トランプ前大統領の代理人を務めていた11件の不正行為で起訴した。イーストマン氏はトランプ大統領の弁護をしたことや、不正選挙を主張し選挙結果に疑問を呈したことを後悔していないと発言した。
アリゾナ州ノガレス 。ジョージ・アレン・ケリー氏の裁判は3日間の審議と裁判官による2度の棄却の後、陪審は難航した行き詰まりに達した。 トーマス・フィンク判事は、4月22日に無効審理を宣言し、4月29日に状況審問を予定する。ケリー氏は、彼の牧場で不法移民であった48歳のメキシコ国籍のガブリエル・クエン=ブイティメア氏を射殺したことで、第2級殺人、過失致死、または過失致死罪、および凶器による加重暴行罪の罪に問われていた。
米トランプ前大統領に対する刑事捜査を監督するジャック・スミス特別検察官のチームは5月3日、トランプ氏に対する刑事事件の1件における証拠の取り扱いに関して、連邦地裁判事に誤解を与えたと認めた。
海軍が一般兵士に対して1月6日に行われた指揮官の演説への出席や、第一修正条項に基づく活動への参加を禁じたことは、1月6日の出来事が通常のものではないと予見されていたことを示している。
2021年1月6日に勤務していたFBI特別捜査官や合同テロ対策タスクフォースのメンバーは約50名に上った。ウィリアム・ポープ氏によると、捜査官の多くは抗議行動と違反行為の間、連邦議会議事堂の敷地内にいた