CVSTと呼ばれる血栓症がワクチン接種者の間で予想の3倍以上発生していた

約1億人のコロナワクチン接種者を対象とした調査で、多数の有害事象が明らかに

9900万人以上のワクチン接種者を対象とした多国間研究で、神経疾患、心血管疾患、血液疾患の合併症の発生率が研究者の予想よりも高いことが判明した。

今月12日にワクチンジャーナルに掲載された査読済みのコホート研究では、新型コロナワクチン接種後に確認された13件の「特に注目すべき有害事象(AESI)」のリスク評価を目的とした。AESIは、神経系、血液系、心血管系の3つのカテゴリーにまたがっている。

研究では、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ニュージーランド、スコットランドの8か国のワクチン接種者9900万人以上から収集したデータを精査し、接種後42日までのリスクを調べた。

対象とされたワクチンは、ファイザーとモデルナのmRNAワクチン、およびアストラゼネカのウイルスベクターワクチンの3つ。

研究者らは、複数のAESIの潜在的な安全性シグナルとなる閾値を満たすと判断した症例が予想以上に多いことを発見した。それには、ギラン・バレー症候群(GBS)、脳静脈洞血栓症(CVST)、心筋炎、心膜炎などが含まれる。 安全性シグナルとは、医療製品との関連が疑われる潜在的なリスクや危害を示唆する情報のことだ。

  • ギラン・バレー症候群(GBS)は体の免疫系が神経を攻撃し、最終的には全身を麻痺させる疾患。この症状のある人のほとんどは入院が必要になる。アストラゼネカ製ワクチンの初回接種が開始された後、GBS症例の「統計的に有意な増加」を観察した。研究者らはコホート研究で76件のGBSイベントが発生すると予想していたが、最終的には190件を特定した。
  • 急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) は、通常、細菌またはウイルス感染後に発症し、中枢神経系の炎症を引き起こす。2件の症例が予想されたが、研究ではモデルナ製ワクチンの初回接種を開始した後に、7件の発症を特定した。
  • ベル麻痺は、顔の筋肉の衰弱または麻痺のこと。ファイザーとモデルナのワクチンの初回接種が開始した後に、予想より多くのベル麻痺症例を確認した。
  • 脳静脈洞血栓症(CVST)は、脳内に血栓が形成され、血液の排出が妨げられる状態だ。これにより、出血が引き起こされる可能性がある。21件の発症が予想されたが、研究者らはアストラゼネカ製ワクチンの初回接種を開始した後に3倍以上の69件の症例を確認した。ファイザー製ワクチンの1回目と2回目の接種開始後のCVST症例も予想より多かった。
  • 心筋炎は心臓の筋肉(心筋)が炎症を起こす疾患。研究によると、心筋炎の「優先安全性シグナル」の閾値を満たす予想を上回る数の症例は、ファイザーとモデルナ両社のmRNAワクチンの1、2、3回目の投与後に一貫して確認したという。
  • 心膜炎は、心臓の外層の炎症。研究者らは、3種類のワクチンを全て投与した後に、心膜炎の症例数が予想を上回ったと書いている。

研究者らの解説

アストラゼネカのようなベクターベースのワクチンによる高いGBSリスクは他の研究でも確認していると研究者らは指摘した。興味深いことに、mRNAワクチンに関する研究ではGBSの増加は観察されていないという。

研究者らは、他の複数の研究でもワクチン接種後のCVST発生率の増加が確認されており、それによっていくつかの国で新型コロナワクチンプログラムからアストラゼネカ製が撤退していると述べた。 一部の国では年齢に基づく接種制限を設けているという。

心筋炎と心膜炎に関して、研究者らは世界保健機関(WHO)が症状に関するガイダンスを発行していることを指摘した。WHOの2021年のガイダンスには、当時多くの国が新型コロナmRNAワクチンを接種した個人の心筋炎と心膜炎を報告していたことが書かれている。

今月12日の研究は、米国疾病管理予防センター(CDC)が新型コロナワクチンを接種した個人の心筋炎と心膜炎に関するデータを監視し、検討していることを指摘した。

この研究は、CDC、オンタリオ州公衆衛生局、オンタリオ州保健省から資金提供を受けているICES、トロント大学家族・地域医療学部臨床科学者賞から資金提供を受けた。研究者らは、利益相反の可能性をいくつか公表している。

エポックタイムズ はモデルナ、ファイザー、アストラゼネカにこの研究に関するコメントを求めた。

ワクチンの危険性を示唆する最近の研究

多くの研究は、新型コロナワクチンには複数の医学的合併症のリスクが伴うことを示している。 北欧諸国で2月15日に実施した最近の研究は、新型コロナウイルス感染症に対するブースターワクチン接種が若者の心臓炎症リスクの上昇と関連していると結論づけた。

研究では、心筋炎と新型コロナmRNAワクチンの関連性が、青年期かそれより若い男性の2回目接種後に最もはっきりと現れたと指摘している。

1月27日付の別の研究では、「相当な証拠」がmRNAブースター接種と免疫系への悪影響との相関関係や因果関係を示唆したと指摘している。

「ウイルスの重症度が低下していることを考えると……免疫不全患者への頻繁なワクチン投与は当然の懸念があり、恩恵よりも害をもたらしているのではないかという疑問が生じている」

1月24日に米国産科婦人科誌が掲載した研究では、ファイザーとモデルナのワクチンを接種した2人の妊婦から採取した胎盤サンプルを調査している。研究者らは、「ワクチンのmRNAは注射部位に局在せず、胎盤や臍帯血へと全身に広がる可能性がある」と結論付けた。

この研究に関して、心臓専門医のピーター・マッカロー氏は次のようにコメントしている。

「私たちが最も恐れていたことの1つが裏付けられた。つまり、妊娠中の不適切なワクチン接種により、mRNAが循環し、胎盤内でスパイクタンパク質が局所的に産生され、妊娠と出産を脅かす可能性があるということだ」

「しかしさらに悪いことに、mRNAは赤ちゃんに送られ、器官形成、組織損傷、血液凝固、および新生児の体内におけるその他多くの有害なプロセスに未知の影響を及ぼす」

ファイザーとモデルナの新型コロナワクチンの初期第3相試験の報告を分析した先月付の査読済み論文は、ワクチンが救う命より引き起こす死の方が多いと結論づけた。

この研究によると、「控えめな仮定」に基づいたとしても、推定される新型コロナmRNAワクチンによってもたらされる害は恩恵を大きく上回り、このワクチン接種によって救われる1人の命につき、14人の命が失われることになるという。

最近では、新型コロナワクチンのタンパク質の「シェディング」を示唆するエビデンスが増えている。この話題は物議を醸し、科学者らはほとんど無視していたが、今では当局がこの現象をよく認識していることを指摘する医師らもいる

英語大紀元記者。担当は経済と国際。