中国では「茶」は「茶 (ちゃ) 」とも「茗( めい)」とも呼ばれ、神農の時代から飲まれてきたといいます(june. / PIXTA)

色から学ぶ茶葉の魅力:中国茶の美学と風味

中国では「茶」は「茶(ちゃ)」とも「茗( めい)」とも呼ばれ、神農(古代中国に伝わる伝説上の薬祖神)の時代から飲まれてきたといいます。漢詩に茶を表す文字が見られ、それが最古の文献といわれています。当時は嗜好品というより、薬としての役割が強かったようです。

中国茶は発酵の進行度により、淹れた茶の色が濃くなり、味も濃厚になります。色の変化から六大茶類(緑茶、青茶、黒茶、紅茶、白茶、黄茶)に分けられます。

緑茶は茶葉を摘み取った後に加熱処理を行なう無発酵茶です。日本の緑茶とは異なり、加熱の際に茶葉を蒸さずに釜炒りする方法が主流です。中国においても、緑茶はもっともポピュラーで、中国本土で消費する中国茶の7〜8割を占めています。代表的な緑茶は 龍井茶、黄山毛峰、信陽毛尖、 碧螺春、廬山雲霧、恩施玉露、滇緑などがあります。

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美しい景観を誇る中国・福建省の武夷山(ぶいさん)は、ウーロン茶発祥の地であり、その中でも「大紅袍」(だいこうほう)というお茶は、「茶王」と称されるほど有名です。
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