写真はイメージ。米豪合同演習「タリスマン・セイバー 2021」に参加している米海兵隊の兵士(Photo by Ian Hitchcock/Getty Images)

史上最大 米比合同軍事演習「バリカタン24」 南シナ海で中共を警戒

4月22日、アメリカとフィリピンは合同軍事演習「バリカタン(肩を並べる)24」を開始した。

演習は、台湾海峡の近くで初めて行われ、中国の脅威に対する明確な対抗措置と位置づけられている。これまでにない大規模なものとなった。

米比両国の演習指揮官が演習の開始を共同で宣言し、「バリカタン24」の幕開けが告げられた。演習は3週間続けられ、約1万7千人のアメリカとフィリピンの兵士が参加する。

また、フランス海軍とオーストラリア国防軍も訓練に参加し、さらに14か国がオブザーバーとして加わっている。

演習内容には、海上の安全保障、空中ミサイル防衛、動的ミサイル攻撃、サイバー防衛、情報戦が含まれている。アメリカの演習指揮官ジュニ中将は、「『バリカタン24』は、最先端技術と多様な機能を備えた統合作戦の展示の場であり、様々な任務を完全にカバーしている」と述べた。

演習が行われる主な地点は、フィリピンのパラワン島西側の南シナ海と、ルソン島北部のバタン諸島である。特にバタン諸島は台湾から約200キロの位置にある。

フィリピン軍の参謀長ブラウン将軍は、「海上での協力が非常に重要であり、地域の平和と安全を守るためには複雑な課題に対応する必要がある」と強調した。

以前、南シナ海のセカンド・トーマス礁で中国の海警船との衝突を経験したフィリピン海防隊も、今回初めて演習に参加する。

さらに、アメリカとフィリピンの軍隊は、バタン諸島で模擬的な島嶼奪取の演習を行う予定だ。専門家によると、中国共産党が台湾に侵攻する際にバタン諸島が戦略的な拠点となる可能性が指摘されている。

ジュニ中将は、「この演習を通じて、アメリカとフィリピンの共同防衛が単なる形式的なものではなく、実質的なものであることを示したい」と述べている。

今月の初め、アメリカはフィリピンのルソン島に中距離ミサイルの発射システムを設置した。

これは、中国共産党からの脅威に対抗する意図があるとされている。フィリピンは南シナ海と台湾の近くに位置しており、将来的に中国が何かの軍事的衝突を起こした際には、アメリカと連携し、重要な戦略的役割を果たすことが予想される。

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