フロリダ州マイアミの住宅前に「売り出し中」の看板。2022年6月21日、(Joe Raedle/Getty Images)

もうアメリカでは暮らしていけない 苦しむ市民たち

潤沢な資本に支えられた資産バブルが過去20年間にわたって膨らみ、インフレーションと物価高騰は住宅価格を大きく押し上げた。

アメリカに住み続けられる人はいるのだろうか。否、ほとんどのアメリカ人が厳しい現実に直面していると言える。絶え間ない資本流入が過去20年にわたって資産バブルを膨らませ、住宅所有および住宅価格一般は、インフレと物価高騰に大きく影響を受けてきた。余裕のない生活を強いられる中で、社会はいかなる問題に直面するのか。答えは過去の歴史を見ればわかる。

どれほど深刻な問題か。アトランタ連邦準備銀行が行う住宅取得可能性(Home Affordability)モニターによれば、消費者物価指数の上昇が観測され始めた2021年の第二四半期を境に、住宅費用が世帯収入を圧迫し始めた。現在、住宅価格の中央値は世帯収入の中央値の4割に上り、適切とされる3割を超えている。同指数は、世界金融恐慌を引き起こした2007年の不動産バブル以来、最悪の数値を記録している。

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