四季。五行は春夏秋冬のサイクル(Shutterstock)

陰陽五行とは春夏秋冬の循環システム

陰陽五行(いんようごぎょう)は、実はそんなに難しいものではありません。簡単に言えば、それは私たちがよく知っている春夏秋冬の四季のサイクルであり、古代から中医学における病気治療と健康維持の基本的な原則です。

「春と夏は暖かく、秋と冬は寒いのは理解できるけれど、陰陽五行とはどういうことか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。確かに、春と夏は陽(あたたかい)で、秋と冬は陰(さむい)です。これで四季を陰陽で説明することはできます。しかし、五行には五つの要素があるのに、どうやって四季と対応させるのでしょうか? また、これがどのようにして病気治療の法則となるのでしょうか?

まず、陰陽五行とは何か、その基本概念を見ていきましょう。これらがどのように関係し、どのように人体と対応しているかを説明します。

▶ 続きを読む
関連記事
腎を補う前に――まず胃腸を整える 冬は「水の季節」とされ、体の中では「腎」に関係が深い時期です。ですから冬にな […]
立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。
シソは胃腸を整え、体を温め、風邪や寒さから身を守る力を高めます。特に朝に食べると、体の陽気が自然に立ち上がり、秋冬の風邪予防に効果的。朝食に取り入れたい伝統の養生法です。
中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。