日本人女性のスパイ罪判決が浮き彫りにした中共のロングアーム管轄 日本政府内に協力者?
2015年、上海出張中の日本人女性が突然逮捕され、「スパイ罪」で6年の刑を言い渡された。ジャーナリストの矢板明夫氏はこうした中国共産党のロングアーム管轄に対して厳しく批判し、日本政府内部にも中国共産党(中共)の協力者がいる可能性を指摘している。
12月30日共同通信社は中国当局が2015年に日本人女性を拘束したのは、彼女の日本国内での行動をスパイ活動と見なしたためだと報じた。
日本と中国の情報筋によると、60代のこの女性は2012年から2013年にかけて、東京で中国大使館の職員と数回会談し、2012年の日本政府による尖閣諸島の「国有化」後の日中対立に関する中国側の見解を聞き、その内容を2人の日本政府関係者に伝えた。その情報には国家機密は含まれていなかった。その後2015年、この女性が上海に出張した際に中国当局に逮捕され、2019年2月に上海高級人民法院でスパイ罪により懲役6年の刑を言い渡された。
関連記事
中国共産党のマネーロンダリングは、麻薬カルテルを助けるだけではない。世界的な違法経済を拡大し、北京の地政学的野望を後押ししている。
米国と英国が協力し、史上最大規模とされる暗号資産詐欺事件が摘発された。押収額はおよそ140億ドルに上り、詐欺の首謀者とされる中国・福建省出身の陳志は、現在も逃亡を続けている。
「超限戦」という概念を掲げる中共は、巨大なハッカー集団のネットワークを利用して機密情報や知的財産を窃取し、重要なセキュリティシステムを脅かすことで、物理的な戦争を起こさずにアメリカを打ち負かそうと試みてきた。
これまでほとんど知られていなかった中国共産党系のハッカー組織の存在が新たに明らかになった。米サイバーセキュリティ企業「パロアルトネットワークス」が公表した報告書によると、「ファントム・タウラス」というハッカー組織が外交機関などを中心に各国政府を標的に高度なサイバー攻撃を展開している。
最近、スタンフォード大学の女子大学院生が動画を公開し、中共の工作員に「中国旅行を支援する」と持ちかけられ、スパイに勧誘された体験を語った。