冬の貝料理で体を温め、エネルギーを蓄えるひとときを(Shutterstock)

寒さを活かして身体を整える 貝類で腎・肝・脾を調和する

一年で最も寒さが厳しい「小寒」の時期は、自然のエネルギーが静かに閉じ込められ、春に備えて蓄えられる季節です。このリズムは私たちの体にも影響を与え、特に「腎」は体のエネルギーを貯め込む重要な役割を担います。そのため、この時期は腎を労わり、エネルギーをしっかり蓄えることが健康のポイントとなります。

一方で、「肝」は上に向かってエネルギーを伸ばす性質を持っていますが、寒さが強まるとその動きが妨げられることがあります。これにより、気分が沈んだり、食欲が落ちたり、消化が悪くなったりといった不調につながることも。このような時こそ、腎・肝・脾のバランスを整えることが大切です。

腎がエネルギーを蓄えると、肝がスムーズに気や血を巡らせ、脾胃(消化器官)の機能も整います。その反対に、脾胃が強化されることで肝の動きも正常化します。このように、三つの臓器は互いに補い合う関係にあります。だからこそ、腎を養いながら肝や脾の働きを助ける食材を選ぶことが、健康を維持する賢い方法なのです。

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