輸出のイメージ画像(Shutterstock)

日本の農林水産物・食品輸出額1.5兆円突破 米国20年ぶり最大輸出先に

2024年の日本の農林水産物・食品輸出額が、過去最高を更新し、初めて1兆5,000億円を超えたことが分かった。農林水産省が2月4日に発表した「農林水産物輸出入情報」によると、2024年の輸出額は前年比3.7%増の1兆5,073億円となった。輸出額上、20年ぶりにアメリカが首位となったことを日本貿易振興機構(ジェトロ)が報じた。

輸出額の上位3品目は、アルコール飲料が1,337億円で1位、ホタテ貝が695億円で2位、牛肉が648億円で3位となっている。アルコール飲料の中でも日本酒の輸出は増加したが、ウイスキーは原酒不足などの影響で中国向けを中心に減少した。

ホタテ貝の輸出先に大きな変化が見られた。東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水放出に伴う規制強化の影響で、これまで上位だった中国と香港に代わり、ベトナムやタイなどが新たな輸出先として台頭してきている。特にベトナム向けの輸出は、前年の12.9倍と大幅に増加した。

▶ 続きを読む
関連記事
東京株式市場の前場で日経平均が下げ幅を拡大し、一時800円超の下落を記録。米株高後の過熱感から利益確定売りが膨らみ、植田日銀総裁の講演を前に投資家が警戒
金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる
ソニーや三菱自動車など多くの日本企業が中国で事業縮小や撤退を進行中。生産拠点は東南アジアやインドへの移転が目立つ
高市首相は、日米が南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討すると発表。経済・安全保障の強化を目的に日米が協定を締結し、中国依存脱却を目指す。
9月貿易統計では、半導体関連の輸出回復により5カ月ぶりの増加が確認されたが、輸入がそれを上回り、貿易赤字は3か月連続となった。円安進行が輸出企業の追い風となる中、高市早苗氏の政策スタンスが市場で注目を集めている。