寒暖差に負けない食習慣
【春の食養生】春分から立夏へ 寒暖差で起こりやすい4つの健康問題
『黄帝内経』によれば、毎年の気候は、冬の「大寒」から始まり、2か月ごと、つまり節気4つをひと区切りとして、1年の24節気を6つの期間に分け、それぞれが異なる五行のエネルギーに支配されるとしています。
現在はその第2の期間、「二之気(にのき)」にあたり、春分(3月20日)から立夏(5月20日)までの時期に該当します。この時期、地球は「木」「火」「水」という三つのエネルギー(気)に支配されており、風・熱・寒が交じり合った気候が現れやすくなります。風が強く、気温が上下しやすいのが特徴で、人体にさまざまな影響を及ぼすことがあります。
地球本来の6つの気の五行的性質は毎年変わることはありません。二之気の時期には、春の「木の気」に加えて「火の気」が同時に作用し、風が多く、陽気が強まり、全体としては温暖な気候になるのが本来の姿です。
関連記事
腎を補う前に――まず胃腸を整える 冬は「水の季節」とされ、体の中では「腎」に関係が深い時期です。ですから冬にな […]
立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。
シソは胃腸を整え、体を温め、風邪や寒さから身を守る力を高めます。特に朝に食べると、体の陽気が自然に立ち上がり、秋冬の風邪予防に効果的。朝食に取り入れたい伝統の養生法です。
中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。