春にぴったりの養生食で、風熱や胃腸の不調を予防。風を発散させ、肝や肺のバランスを整える食材で、体を優しく潤し、気を巡らせます(Shutterstock)

のど・咳・だるさに効く 春の風熱対策レシピ

春は風熱の影響を受けやすい

五行では春は「木」に属し、陽の気が上に向かって生じる季節とされています。春が進むにつれて、陽気の動きが一層強まり、それが「風」として外に現れます。このため、春は風をともなった温かい気候になりやすいです。特に日本は東方に位置し、五行で「木」に対応する方位にあたるため、この時期は風や熱の影響を受けやすく、体が風熱の邪気にさらされやすい季節です。

体調を崩さないためには、日々の食事でしっかりと体を整え、風熱によるかぜを予防する意識が大切です。

風熱タイプのかぜの主な症状

  • 発熱し、風に当たると寒気がする
  • のどの腫れや痛み
  • 咳と黄色い痰
  • 頭痛や目の充血
  • 口の渇き、唾液の減少

春は肝の働きが活発になる時期ですが、過度なストレスや感情の抑え込みが続くと、肝に熱がこもりやすくなります。その熱がかぜのような症状として現れ、肺や胃腸のバランスを乱す原因にもなります。特に、体に熱がこもりやすい方や、うるおい不足の陰虚体質の方は注意が必要です。

 

風熱を防ぐ食養生のポイント

  • 風と熱を追い出す: 肝や肺にこもった熱を取り除き、外からの風邪を防ぎます。

     
  • 肝・脾・肺のバランスを整える: 肝が強くなりすぎると、脾や肺に影響を与えるため、調和を保ちます。

     
  • 脾胃を養って肺を助ける: 五行では「脾(土)は肺(金)を生む」とされ、脾が整えば肺の抵抗力も高まります。

     

風熱タイプのかぜ対策 食養生メニュー

  •  主食|しそごはん
しそご飯(Shutterstock)

材料:白ごはん 1膳、しそふりかけ 小さじ1、白ごま 少々

作り方:温かいごはんにふりかけとごまを混ぜるだけ。

効能:風を発散させて熱を冷まし、香りで気の巡りを整え、食欲を促します。

※中医学でいう「風」とは、季節の変化などによって生じる体の不調のきっかけ。

 

  •  副菜①|カリフラワーのおかか和え

材料:カリフラワー 200g、かつお節 適量、醤油 少々

作り方:カリフラワーを1分半ほどゆで、水気を切って調味料と和え、かつお節をふりかけます。

効能:潤肺止咳、健脾和胃、熱を冷まし湿を除く働きがあります。白いカリフラワーは五行で「金」に属し、肺や胃を整える働きがあります。湿気によるだるさや食欲不振の方に特におすすめです。

 

  • 副菜②|小松菜のごま和え
小松菜のごま和え(Shutterstock)

材料:小松菜 100g、練りごま 小さじ1、醤油 少々

作り方:小松菜をさっとゆでて食べやすく切り、ごまだれで和えます。

効能:肝を落ち着かせ、体にこもった熱を冷まし、カルシウム補給で骨を丈夫にし、腸を整えて余分な水分の排出を助けます。

 

  • スープ|豆腐と大根のスープ
味噌汁(Shutterstock)

材料:絹ごし豆腐 150g、大根 50g、昆布だしまたは水、生姜 少々

作り方:大根を煮て柔らかくなったら、豆腐と生姜を加えて弱火で3分。塩または味噌で味付けします。

効能:体にこもった熱を冷まし、肺をうるおして咳をしずめ、痰を出しやすくします。口の渇きをやわらげて胃の働きを整え、食欲を促進し、消化を助けて食べすぎによる不調を防ぎます。

 

まとめ

この組み合わせは、体を冷やしすぎることなく、やさしく潤しながら脾胃を整え、風邪の初期症状にも対応できる春にぴったりの養生食です。気を消耗せず肺に負担をかけずに、肝にこもった熱をしずめる働きがあり、のどのかゆみや乾燥、頭の重さ、食欲の低下が気になる方に特におすすめです。

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