春は風熱の影響を受けやすい
五行では春は「木」に属し、陽の気が上に向かって生じる季節とされています。春が進むにつれて、陽気の動きが一層強まり、それが「風」として外に現れます。このため、春は風をともなった温かい気候になりやすいです。特に日本は東方に位置し、五行で「木」に対応する方位にあたるため、この時期は風や熱の影響を受けやすく、体が風熱の邪気にさらされやすい季節です。
体調を崩さないためには、日々の食事でしっかりと体を整え、風熱によるかぜを予防する意識が大切です。
風熱タイプのかぜの主な症状
- 発熱し、風に当たると寒気がする
- のどの腫れや痛み
- 咳と黄色い痰
- 頭痛や目の充血
- 口の渇き、唾液の減少
春は肝の働きが活発になる時期ですが、過度なストレスや感情の抑え込みが続くと、肝に熱がこもりやすくなります。その熱がかぜのような症状として現れ、肺や胃腸のバランスを乱す原因にもなります。特に、体に熱がこもりやすい方や、うるおい不足の陰虚体質の方は注意が必要です。
風熱を防ぐ食養生のポイント
- 風と熱を追い出す: 肝や肺にこもった熱を取り除き、外からの風邪を防ぎます。
- 肝・脾・肺のバランスを整える: 肝が強くなりすぎると、脾や肺に影響を与えるため、調和を保ちます。
- 脾胃を養って肺を助ける: 五行では「脾(土)は肺(金)を生む」とされ、脾が整えば肺の抵抗力も高まります。
風熱タイプのかぜ対策 食養生メニュー
- 主食|しそごはん

材料:白ごはん 1膳、しそふりかけ 小さじ1、白ごま 少々
作り方:温かいごはんにふりかけとごまを混ぜるだけ。
効能:風を発散させて熱を冷まし、香りで気の巡りを整え、食欲を促します。
※中医学でいう「風」とは、季節の変化などによって生じる体の不調のきっかけ。
- 副菜①|カリフラワーのおかか和え
材料:カリフラワー 200g、かつお節 適量、醤油 少々
作り方:カリフラワーを1分半ほどゆで、水気を切って調味料と和え、かつお節をふりかけます。
効能:潤肺止咳、健脾和胃、熱を冷まし湿を除く働きがあります。白いカリフラワーは五行で「金」に属し、肺や胃を整える働きがあります。湿気によるだるさや食欲不振の方に特におすすめです。
- 副菜②|小松菜のごま和え

材料:小松菜 100g、練りごま 小さじ1、醤油 少々
作り方:小松菜をさっとゆでて食べやすく切り、ごまだれで和えます。
効能:肝を落ち着かせ、体にこもった熱を冷まし、カルシウム補給で骨を丈夫にし、腸を整えて余分な水分の排出を助けます。
- スープ|豆腐と大根のスープ

材料:絹ごし豆腐 150g、大根 50g、昆布だしまたは水、生姜 少々
作り方:大根を煮て柔らかくなったら、豆腐と生姜を加えて弱火で3分。塩または味噌で味付けします。
効能:体にこもった熱を冷まし、肺をうるおして咳をしずめ、痰を出しやすくします。口の渇きをやわらげて胃の働きを整え、食欲を促進し、消化を助けて食べすぎによる不調を防ぎます。
まとめ
この組み合わせは、体を冷やしすぎることなく、やさしく潤しながら脾胃を整え、風邪の初期症状にも対応できる春にぴったりの養生食です。気を消耗せず肺に負担をかけずに、肝にこもった熱をしずめる働きがあり、のどのかゆみや乾燥、頭の重さ、食欲の低下が気になる方に特におすすめです。
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