2024年3月8日、全国人民代表大会に参加する習近平。(Pedro Pardo/AFP via Getty Images)

習近平が直面する内外7つの危機

2025年に入り、中国共産党の党首・習近平は、政権発足以来13年間で最も深刻な内外の困難に直面していた。中国国内外でその動向が大きな注目を集めており、特に以下の七つの出来事が象徴的だ。

まず第一に、シンガポール前首相リー・シェンロン夫人であるホー・チン氏が、習近平を痛烈に批判する記事をSNSでシェアした件が挙げられる。2025年4月21日、ホー・チン氏は「習近平は12年間、まるでギャングのボスのように振る舞い、常に他者に『拒否できない提案』を突きつけてきたが、今になって被害者たちに、友人やパートナーとして自分を受け入れるよう求めている」とする論評をFacebookで転送した。この投稿は、大きな反響を呼んだが、削除されることはなかった。

シンガポールはこれまで中国共産党(中共)に比較的友好的な立場を取ってきた。歴代指導者は、頻繁に中国を訪問し、時に中国側の立場を擁護する発言もしてきた。しかし、これまで中国に対して、公然と厳しい言葉を発したことのなかったホー・チン氏が、突然習近平批判の記事を拡散したことは、非常に象徴的な出来事と言えた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国が進める「軍民融合」の実態を解説。商船をミサイル艦へ転換する「中大79」や、戦車を輸送する大型フェリー、さらに「海上民兵」という民間を装う準軍事組織の脅威など、偽装される海上戦略の深層に迫る
IMFが中国経済の危機を分析。共産主義の統制が壁となり、国民の消費が進まない歪んだ構造を指摘しています。なぜハイテク投資ばかりで生活が楽にならないのか? 中国が抱える「イデオロギーと経済」の矛盾を解説
ホルムズ海峡の混乱により、世界の注目は紅海の入り口「バブ・エル・マンデブ海峡」へ。ジブチで隣接する米中両軍の基地を比較し、輸送ルートの支配権を巡る現状を解説。米国の圧倒的優位と中国の弱点を解き明かす
米国の軍事行動によりイランが経済的・軍事的に窮地に立つ今、中東から中国・ロシアに至る世界の勢力均衡が変化している。同盟国欧州の非協力的態度を批判しつつ、トランプ政権による戦略的勝利の兆しを論じる
中東は「敵か味方か」だけでは語れない、複雑な利害が絡む場所。2026年、米国が仕掛けた「二重封鎖」という新戦略が、イランや中国の計算をどう狂わせるのか。平和を揺るがす「急所」の正体を分かりやすく解説