COVID感染の原因を米国に求める中国の声明に見る論理の破綻
4月30日、中国政府は「SARS-CoV-2(新型コロナ)ウイルスの起源がアメリカにある可能性を示す『有力な証拠』が存在する」とする公式声明を発表した。同声明は、ウイルスが武漢の研究所から流出したとする主張について、トランプ政権が「責任転嫁」を試みていると非難している。
COVID-19(新型コロナ感染症:以後COVID)とそれに関連する研究の進展を注視してきたウイルス学者として、筆者は本声明が提起した問題について、科学的かつ客観的な観点から分析を行う。
中国国務院の声明では、武漢ウイルス研究所(WIV)およびその他関連機関における実験室の安全性違反、事故、あるいは構造的な不備の存在を否定しなかった。むしろ、それらの問題を無視し、声明中では一切言及していない。また、WIVからのウイルス流出説についてホワイトハウスが提示した主要な証拠、すなわち(1)ウイルス配列に見られる異常な生物学的特徴、(2)ヒトへの単一導入、(3)WIVの不十分な生物安全対策、(4)2019年秋にCOVID類似症状を呈したWIV研究者の報告についても、反論や説明はなかった。
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