2023年3月28日、スペインのプエルトリャーノにある水素貯蔵タンク The Canadian Press/AP-Bernat Armangue

水素の未来を中国共産党に独占させてはならない

水素の覇権争いが進む中、アメリカは後れを取りつつある。

中国共産党政権は、水素を中心とする次世代エネルギーの分野で主導権を握るべく、サプライチェーンの掌握に向けた大規模かつ組織的な取り組みを進めている。国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国共産党(中共)は2024年だけで約6800億ドルをクリーンエネルギー分野に投資しており、その規模は米国と欧州連合(EU)の合計額にほぼ匹敵する。

2020年当時、中共の水素関連製造能力は世界全体の10%にも満たなかったが、現在では60%以上を占めるまでに急成長を遂げている。中共当局は今年3月、水素および持続可能な燃料インフラの「着実な開発」を各省に正式に指示し、太陽光発電と同様に水素市場でも主導権を握るべく、明確かつ協調的な戦略を打ち出した。2025年に入ってからのわずか4か月間で、中共当局が受注した水素電解槽の数は、2024年通年の総受注数をすでに上回っている。

▶ 続きを読む
関連記事
米議会で提出された、チベットでのジェノサイド認定を求める超党派法案と、トランプ氏によるジミー・ライ救出への意欲を報じる。中国の弾圧に対し、米国が人権と経済の両面からどう対峙すべきかを問う解説記事
解説 定期的に、大衆は新たな微生物の脅威に直面する。そのパターンは常に一定だ。悲劇的な死や集団感染が発生すると […]
ヴィクター・デイヴィス・ハンソン氏がイラン情勢の終焉を鋭く分析。米国の軍事的優位と経済封鎖に対し、窮地のイランが取る生存戦略とは。中間選挙を控えたトランプ政権の思惑と、激化する膠着状態の結末を予測する
中国が進める「軍民融合」の実態を解説。商船をミサイル艦へ転換する「中大79」や、戦車を輸送する大型フェリー、さらに「海上民兵」という民間を装う準軍事組織の脅威など、偽装される海上戦略の深層に迫る
世界保健機関(WHO)のパンデミック対策の目玉として鳴り物入りで進められてきた「パンデミック協定」の最終合意が、またも合意不達のまま延期となった。この事は何を意味するのか