(Shutterstock)

夏の胃にやさしい「火消し術」:日本の伝統茶菓子に秘められた五行の知恵

夏が訪れると、日本の和菓子店はひっそりと涼やかな緑色に彩られます。抹茶大福、抹茶羊羹、抹茶アイスクリーム――そして冷たい水の中にも、ほのかな茶の香りが漂います。さらに、ほぼ欠かさず登場するのが小豆。こしあん、つぶあん、寒天と合わせたものなど、甘すぎず、ひんやりとした中にほんのり温もりを感じさせ、どんなに風が強くても日差しが強くても、心に静けさと安らぎをもたらしてくれます。

多くの中国の人々が不思議に思うことがあります。「日本には豆類を使った食品がたくさんあるのに、なぜ緑豆がないのか?」と。緑豆こそ、伝統的な食養生において「熱を冷まし、暑さをしのぐ」代表的な食材のはずです。

実は、日本の伝統的な茶菓子にも、日本人なりの自然との向き合い方が込められており、古くからの「五行バランス養生術」がさりげなく日常生活に溶け込んでいます。それはまさに、暑さをやわらげて心身を整える「火消し術」の中で、最も理にかなっていて、体にも優しく、生活に取り入れやすく、誰にでも実践しやすい五行の知恵なのです。

 

▶ 続きを読む
関連記事
「胃にやさしい」と信じてきた白がゆ。けれど体質や季節を無視すると、冷えや湿気をため込み、かえって体の土台を弱らせてしまうことがあります。
腰や足の冷え、夜間の頻尿は「腎の冷え」のサイン。粒のままの黒こしょうを肉と煮込むことで、温かさが下半身に届き、体の内側から静かに整っていきます。
冬の乾燥肌は外からだけでなく内側のケアが大切。脾と肺を養える、はとむぎを使ったやさしい美肌スープを紹介します。
大寒は寒さだけでなく、季節の切り替わりで「土」の気が強まる時期。冷えと湿気で弱りやすい胃腸を守るには、体を温め巡りを整える粕汁のような汁物が役立ちます。
大寒は、寒さの底で一年の気が動き始める節目。ぶり大根は肝・脾・腎を調え、気の巡りを無理なく整える一品として、年初の養生に適した料理とされる。