建設業倒産 過去最多ペースに 2025年問題で人手不足深刻化
建設業界で倒産が急増している。帝国データバンクの発表によると、2025年上半期(1月~6月)に発生した建設業の倒産件数は986件となり、前年同期(917件)を7.5%上回った。これで4年連続の増加となり、上半期としては過去10年で最多を記録した。通年では、2013年以来となる2000件台に達する可能性も指摘されている。
倒産増加の主な要因は、資材価格の高騰、人手不足、経営トップの後継者難という「三重苦」にある。鉄骨や木材、住設機器などの価格が急激に上昇したことで、仕入れコストを販売価格に転嫁できず、事業継続を断念するケースが相次いだ。2025年上半期の倒産のうち、物価高を直接の原因とするものは118件(全体の12.0%)にのぼる。
人手不足も深刻化している。職人の高齢化が進み、若い世代のなり手が減少していることから、必要な人材を確保できずに倒産する企業が増えている。2025年上半期には、人手不足を要因とした倒産が54件(5.5%)発生し、2018年以降で最多となった。さらに、経営トップの後継者が決まらず事業承継ができない「後継者難」による倒産も69件(7.0%)と、こちらも過去最多の水準となっている。
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