2021年6月18日、アメリカ海軍のロナルド・レーガン(CVN 76)空母打撃群はマラッカ海峡を通過し、南シナ海からインド洋へ進出した(アメリカ海軍)。

マラッカ海峡 中共の最も致命的な弱点

中国は、石油輸入の8割以上をマラッカ海峡に依存し、封鎖されれば経済が深刻な打撃を受ける。米中対立や台湾有事を背景に、この「マラッカ困境(困った境)」は中国の地政学的リスクとして注目されている。

 中国共産党(中共)の地政学上の最大の弱点――いわゆる「マラッカジレンマ」を検証しよう。

フランス・ソルボンヌ大学の研究員ラファエル・ドソン氏は、国際誌『Modern Diplomacy』において、中共経済の急成長の裏に、致命的な脆弱性が潜んでいると指摘した。それはエネルギー供給に関する依存である。現在、中国は1日あたり約1500万バレルの石油を輸入しており、そのうち8割以上がマラッカ海峡を経由している。

▶ 続きを読む
関連記事
中日関係悪化で広州の宮崎駿作品展が延期。スタジオジブリが発表、理由は非公表。浜崎あゆみ公演も上海・マカオで中止。中国ネット民は「反戦ジブリすら難しいのか」と嘆く。米メディアは中国の逆効果と指摘
中国共産党政権が日本に対して軍事的・経済的圧力を強めている背景には、国内の不安定化と社会不安の深刻化を覆い隠す狙いがあるとみられている
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
米下院が社会主義体制の弊害を非難する中、中国共産党からの離脱「三退」は4億5500万人を突破。宗教弾圧や権力集中への国際的懸念が強まる一方、中国社会では静かな体制離れが広がっている
トランプ大統領と習近平の11月24日電話会談で台湾問題が再注目。中国は高市首相の「台湾有事」発言に反発し、日米間に楔を打ち込もうとしたが北京の外交攻勢は空回りした