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夏の「赤い食材」で心をととのえる(第4回:さくらんぼ&もも編) 

——大暑の時季は、血のめぐりを整え、疲れをリセット

一年で最も暑さが厳しい大暑のころは、体のエネルギーや血のめぐりが消耗しやすく、だるさや食欲不振を感じる人が多くなります。

ちょうどこの時期に旬を迎えるのが、さくらんぼともも。どちらも、ただの果物ではなく、夏の体を助けてくれる「赤い恵み」です。血を補い、体を潤し、疲れをすっと取り去る働きがあり、まるで自然の栄養ドリンクのよう。
 

さくらんぼは「補血」、ももは「活血」

さくらんぼとももは、夏によく見かける赤い果物で、冷やして食べても胃腸を冷やしにくいのが特徴。それぞれに得意分野があります。

さくらんぼ: 体を温め、血を養ってくれる果物。顔色が青白い、手足が冷える、血の不足で元気が出ない…そんな人におすすめです。体力を回復させ、活力を与えてくれます。

もも: みずみずしくて甘いももは、血の流れをよくし、体に潤いを与える果物。のどの渇きや便秘、血行不良が気になる人に向いています。体をなめらかに整え、新陳代謝をサポートします。

簡単に言うと、さくらんぼは「血を補ってエネルギーを足す」、ももは「血をめぐらせて潤す」。ふたつを合わせて食べることで、血を補いながら流れもよくし、血管が詰まるのを防いでくれるので、心臓や脳の血管トラブルの予防にも役立ちます。夏の養生にぴったりの組み合わせです。
 

赤い果物でひんやり養生

さくらんぼとももを、ジュース・ヨーグルトカップ・ゼリーの3通りで楽しめる、夏にうれしい簡単レシピです。冷たくても、体にやさしい組み合わせで、暑い季節の栄養補給にぴったり。

✤ 赤い果物のスムージー(おすすめ:気虚タイプ)

赤い果物のスムージー イメージ図

疲れやすい/顔色が悪い/手足が冷える/生理の量が少ない人向き

【材料(1人分)】

  • さくらんぼ(種を取る)…6粒
  • もも(よく熟したもの)…1/2個
  • なつめ粉または黒すりごま…小さじ1
  • 豆乳または低脂肪牛乳…100ml
  • 氷…適量(常温でも可)

【作り方】
材料をすべてミキサーに入れ、スムージー状にする。

【効能】
気力と血を補い、疲れをやわらげます。朝や運動後のエネルギー補給に最適。

【補足】

  • 量の目安:1杯で1人分
  • 飲むタイミング:午前10時ごろ、または運動後30分以内
  • 週2~3回程度が目安
  • 糖尿病の方:無糖豆乳を使い、甘味は足さず、常温で主食と一緒に飲むのがおすすめ

✤赤い果物のヨーグルトカップ(おすすめ:胃腸が弱いタイプ)

赤い果物のヨーグルトカップ イメージ図

食欲がない/下痢しやすい/お腹が張る/だるさが続く人向き

【材料(1人分)】

  • さくらんぼ・もも(角切り)…合わせて約50g
  • 無糖ヨーグルト…100g
  • 黒すりごま・シリアルまたはナッツ…各小さじ1(お好みで)

【作り方】
果物をヨーグルトに混ぜ、ナッツやシリアルをトッピング。冷やしても常温でもOK。

【効能】
胃腸を助け、消化を整えながら体を潤し、血のめぐりもサポートします。さっぱりして食べやすい一品。

【補足】

  • 量の目安:1杯で1人分
  • 食べるタイミング:朝食の副菜や、午後の軽いおやつに
  • 週3~4回程度がおすすめ
  • 糖尿病の方:無糖ヨーグルトを使い、シリアルや甘味を加えず、常温または少し温かくして食べるのがおすすめ
     

✤赤い果物のゼリー(おすすめ:体に熱がこもりやすいタイプ)

赤い果物のゼリー イメージ図

のぼせやすい/口が渇く/吹き出物が出やすい/汗がベタつく人向き

【材料(1人分)】

  • さくらんぼ・もも(角切り)…約50g
  • 緑茶またはウーロン茶…150ml
  • 寒天パウダーまたはゼラチン…約2g
  • レモン汁またはゆず酢…少量(酸味づけに)
  • はちみつ…控えめ、または入れなくても可

【作り方】
お茶を温め、寒天パウダーを混ぜて固める。上に果物をのせ、酸味を少し加えて仕上げる。

【効能】
熱気をしずめ、余分な湿気を取り、食欲を助けます。食後のデザートにぴったり。

【補足】

  • 量の目安:1杯で1人分
  • 食べるタイミング:食後30分、または午後2~4時ごろ
  • 週1~2回程度がおすすめ
  • 糖尿病の方:甘味を加えず、無糖のお茶を使い、果物は50g以内。空腹時の冷たいゼリーは避ける
     

まとめ

さくらんぼとももは、真夏に消耗しがちな体力や血をやさしく補ってくれる果物です。食べる時間と量に気をつければ、冷たい食べ方でも胃腸に負担をかけず、内側から元気を養ってくれます。