2017年10月18日、北京で開催された中国共産党第19回大会で習近平が演説する中、軍代表団を睨みつける中国の警備員たち。Fred Dufour/AFP via Getty Images

劉建超に拘束報道 中国共産党中央対外連絡部長に突如の調査

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは米国時間8月9日、複数の関係者の話として、中国共産党(中共)中央対外連絡部の部長である劉建超(61)が、中国当局に拘束され、取り調べを受けていると報じた。複数の報道機関もこの情報を確認している。現時点で中共政権から公式な説明は出ていない。

報道によれば、劉は7月末、海外出張から北京に戻った直後に当局によって連行されたとされる。拘束の理由については一切明らかにされておらず、党中央対外連絡部や中共関連部局も問い合わせに回答していない。

劉建超は2022年から党中央対外連絡部のトップとして、世界約20カ国以上を歴訪し、160カ国以上の政府要人と会談するなど、中国外交の中心的役割を担ってきた。特に、2024年初頭に米国ワシントンでブリンケン国務長官らと会談するなど、その活発な外交活動が注目され、次期外相の最有力候補と位置づけられていた。

▶ 続きを読む
関連記事
米下院が社会主義体制の弊害を非難する中、中国共産党からの離脱「三退」は4億5500万人を突破。宗教弾圧や権力集中への国際的懸念が強まる一方、中国社会では静かな体制離れが広がっている
トランプ大統領と習近平の11月24日電話会談で台湾問題が再注目。中国は高市首相の「台湾有事」発言に反発し、日米間に楔を打ち込もうとしたが北京の外交攻勢は空回りした
中国駐日本大使館の、X(旧Twitter)で日本を名指しで批判する投稿が物議を醸している。台湾政策を巡る日本の政治家への撤回要求から、尖閣諸島の領有主張、国連憲章の「敵国条項」の持ち出しにまで及び、いずれも国際社会の一般的な認識とは距離のある内容に
中共の官製メディアは、台湾有事は「存立危機事態」に該当するとの高市早苗首相の国会答弁に対し、高市氏への個人攻撃を含んだ内容を相次ぎ報道し攻勢。SNS上では、新華社を筆頭に中共メディアの高市氏および日本への挑発的な報道について、強い遺憾の声やメディアの品格を疑う声も出ている。
習近平の「150歳」発言が火付け役。共産党エリートだけが享受する「981長寿プロジェクト」の実態を追う。軍病院、臓器収奪、検閲——権力者の命を延ばすため、無実の命が犠牲にされる恐怖のシステムとは?