中国共産党(中共)中央規律検査委員会(中紀委)は7月23日、元幹部3人に対する処分を相次いで発表した。
元水利部副部長で温家宝元首相の秘書を務めた田学斌は、偽造された身分証明書の取得・使用を指摘された。チベット自治区人民代表大会常務委員会の元副主任、王峻は業務上の秘密を漏らしたとされ、中南大学の元副学長、郭学益は会議費を不正に取得し、着服したとされる。
中共当局は同日、3人の党籍を剥奪し、公職から追放する処分を発表した。容疑事実については、審査・起訴のため検察機関に送致した。
田学斌 偽造身分証を不正に取得・使用
当局の発表によると、田学斌は職権を利用した金銭取引や不倫があったほか、企業の株式上場や炭鉱再編、事業の審査・許可などで他人に便宜を図り、見返りとして巨額の金品を不正に受け取った。
また、規定に反して偽造された住民身分証明書などを取得し、使用したことも指摘された。
公開情報によると、田学斌は1963年12月、甘粛省会寧県生まれ。1990年に中国共産党中央弁公庁調査研究室に入り、1992年から2008年まで党中央弁公庁や国務院弁公庁で秘書を務めた。この間、温家宝の秘書も務めていた。
2008年に国務院研究室副主任に就任し、2015年に水利部副部長へ転任した。2023年に退任した後も、中国水土保持学会の理事長を務めていた。
田学斌は今年1月、当局の調査対象となったことが発表された。2026年に入って初めて調査を受けた副部級(次官級)の中共幹部だ。
過去に失脚した中共幹部の中にも、偽造身分証の取得や使用を指摘された人物がいる。当局の発表などによると、無許可での海外渡航や会員制施設への出入り、財産を隠すための銀行口座開設などに使っていた。
河北省人民代表大会常務委員会の元副主任、楊崇勇、江蘇省党委員会の元常務委員兼政法委員会書記、王立科、貴州省政治協商会議の元主席、王富玉らも、同様の罪を指摘されている。
王峻 職務怠慢や秘密漏えい
チベット自治区人民代表大会常務委員会の元党組副書記兼副主任、王峻も7月23日、党籍剥奪と公職追放の処分を受けた。
当局は王峻について、職務を怠り、不適切に権限を行使したほか、業務上の秘密を漏らしたと指摘した。
また、職権を利用して他人に便宜を図り、見返りとして巨額の金品を不正に受け取ったとしている。
公開した経歴によると、王峻は女性で、1964年2月、甘粛省平涼市生まれ。調査対象となるまで、一貫してチベット自治区で勤務していた。
2008年にチベット自治区国土資源庁党委員会副書記兼庁長に就任し、2016年には自治区規律検査委員会副書記を務めた。2018年1月、自治区人民代表大会常務委員会副主任に選出された。
王峻は2025年12月24日、在職中に当局の調査対象となったことが発表された。
郭学益 贈収賄や会議費の着服
同じく7月23日に党籍剥奪と公職追放の処分を受けたのは、中南大学の元党委員会常務委員兼副学長、郭学益である。
当局の発表によると、郭学益は学術賞や学術的な称号を得るため、関係者に金品を贈った。
また、民間企業の経営者に職務上の便宜を図り、見返りとして巨額の金品を不正に受け取ったほか、昇進を得るため関係者に賄賂を贈ったと指摘された。
さらに、会議費を不正に取得し、私的に着服した。
公開情報によると、郭学益は1966年10月、湖南省長沙市生まれ。2005年以降、中南大学大学院の入試担当部門で副主任、主任を歴任し、その後、人事部門の責任者を務めた。
2016年7月、中南大学党委員会常務委員兼副学長に就任した。
郭学益は2025年12月27日、当局の調査対象となった。
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