中国俳優・于朦朧が2025年9月11日、北京で転落死。(左)墜落現場、(右)于朦朧の資料写真。(スクリーンショット)
中国芸能界に広がる沈黙と深まる闇

俳優・于朦朧の死と浮かび上がる権力の影=中国

9月11日、中国の俳優・于朦朧(アラン・ユー)が北京の集合住宅の一室から転落死した。警察は「事件性なし」と結論づけたが、友人宅での酒席後に不自然な状況で亡くなったことから、疑念は消えない。

中国芸能界では、権力者に逆らえない性的接待、いわゆる「潜規則」が存在すると長年ささやかれてきた。今回の死も、その圧力を拒んだことが原因ではないかとの見方が広がっている。ネット上では「数人の関係者に酒席へと誘い込まれ、泥酔させられたうえで業界の大物から性的被害を受けそうになり、必死に抵抗したため殺害された」との噂まで流れている。関与したのは政治高官の子息や特権層との見方もあり、単なる芸能ニュースにとどまらない政界スキャンダルへと発展する可能性が指摘されている。

 

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