于朦朧事件 真相が動き出す2026

【特報連載】于朦朧事件 第4回「地上と霊界からの追跡の果て~霊媒たちが指し示す2026~」

2026/01/25
更新: 2026/01/25

【編集部注】

 

当編集部は、霊的分野の話題を扱うこともあるが、社会事件の報道において霊的証言を引用することは、本来きわめて慎重を要する行為である。通常、検証が困難な情報や、実証に至らない現象を積極的に取り上げることはしていない。

 

しかし、アラン・ユー事件をめぐっては、中国当局による徹底した情報統制のため、現地から確かな証言や資料を得ることが極めて困難な状況が続いている。

 

声を上げた市民は次々と姿を消し、目撃者の所在も確認できず、公式ルートからは何ひとつ開示されないまま時間だけが過ぎていく。

 

こうした行き場のない環境の中で、市民は自ら調査を進め、最終的には霊媒やEVPといった「霊的領域」にまで手を伸ばすようになった。

 

霊界の証言は本来、報道の対象ではない。しかし今回に限り、霊界への関心そのものが台湾大手メディアでも大きく取り上げられ、一種の社会現象として無視できない規模に達している。

 

当編集部は、霊的証言の真偽を保証する立場にはない。ただし、徹底した情報封鎖のもと、多くの人々が「そこでしか突破口が見つからない」と感じ、霊界に耳を傾けざるを得なくなっているという現実は、事件を理解するうえで避けて通れない重要な背景である。

 

信じるかどうかは、読者の判断に委ねたい。
本稿は、いま中国社会で起きている「現象」を記録するための、例外的な報道である。

 

中国の不審死事件をめぐる報道には、常に同じ壁が立ちはだかる。
証拠がない。関係者が沈黙している。公式発表しか存在しない。
だがこうした状況は例外ではない。これが常態である。

 

証拠がないのではない。残されていない、あるいは消されている。
関係者が沈黙しているのではない。沈黙させられている。
公式発表しかないのではない。それ以外の情報が封じられている。

 

この前提を無視して「証拠がないから書けない」と判断することは、中国報道において事実上の報道放棄に等しい。

 

アラン・ユー(于朦朧)事件
 



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これは、ただの芸能人の死ではない

2025年9月、中国の俳優・アラン・ユー(于朦朧)が北京で死亡した。
中国当局は一貫して「酒に酔った後の墜落死」と説明し、事件性を否定している。

ここまでなら、海外で起きた「よくある芸能ニュース」にすぎないだろう。

だが、この出来事は、中国語圏では前例のない規模の社会現象へと発展した。
それは誇張ではない。

 

(左)生前の于朦朧の写真。(右)転落した于朦朧とされる人物(一部から替え玉の可能性が指摘されており、本人かどうかは未確認)(映像よりスクリーンショット)

 

中国国内では、彼の名前を書いただけで投稿が削除され、議論したアカウントは凍結され、拘束されたとされる人も出た。

人々は絵文字や隠語に切り替え、名字と同じ読みの「魚」や魚の絵文字、事件の闇を象徴する「傘」のマークで検閲を避けようとしたが、それも長くは続かなかった。魚の字も、魚の絵文字も、傘のマークも、次々と検閲の対象となった。

封殺はネット上だけでは終わらない。
人々がスマートフォンの画像フォルダに保存した彼の写真まで、ある時を境に理由の説明もなく消えたと訴える声が相次いだ。

この露骨で異常な封殺に、多くの人が悟った。
この事件は、簡単な話ではない。

 

なぜ人々は黙らなかったのか

中国ではこれまで、多くの著名人が不可解な形で姿を消してきた。
そのたびに、当局が示す公式説明が唯一の「正解」とされ、異論は許されなかった。疑問の声は強権的に封じられ、人々は口を閉ざし、やがて時間の経過とともに、出来事そのものがなかったかのように扱われてきた。

しかし、アラン・ユー事件では、それが起きなかった。

事件当時、彼は国民的スターではなかった。
芸能界では中堅クラスに位置づけられ、派手な露出もなく、静かな支持を集める歌手・俳優にすぎなかった。ところが事件後、その評価は一変する。

過去の映像から確認できる彼のさりげない言動、他者への配慮、損得を超えた振る舞いが次々と掘り起こされていった。

それらに触れた人々の間で、「なぜ、こんな人物がこのような最期を迎えねばならなかったのか」という疑問が、怒りとともに共有されていった。彼を知らなかった人々、いわゆる「路人粉(通りすがりの人々)」が共感し、支持者へと変わっていったのである。

「まさしく世の親が理想とする息子」「生きていたころに出会いたかった」そうした声が、後を絶たなかった。

その「善人」が、よりにもよって最も汚れきった場所に置かれていたことが、人々の心を深くえぐった。

 

生前の于朦朧と愛犬・福麗。(画像=于朦朧の微博より)

 

市民調査や証言では、彼が長期間にわたり、性的・精神的・肉体的な虐待を受け、「弄ばれる存在」のように扱われていたとされる。さらに一部では、権力者のために差し出される「生贄」のような立場に置かれ、苦痛を与えること自体を目的とした「虐殺ゲーム」の対象にされていたのではないか、という見方まで語られてきた。

仕事と引き換えに性的な接待を求められる暗黙の慣行が存在する芸能界にあって、アラン・ユーは最後まで権力に屈しなかった。

精神的にも肉体的にも極限まで虐げられているにもかかわらず、彼は、悪魔に魂を売り飛ばすことを意味する書類への署名を拒み続けた。

さらに、業界の大物たちによる犯罪の証拠を収めたUSBの所在についても、最後まで口を割らなかったとされる。

その姿勢は、生前最期の時期に残された映像の中にも、はっきりと刻まれている。最も汚れきった環境の中でも、彼は善良さを失わず、不屈を貫いた。

中国語圏では、次のような詩が広く拡散した。

もし善良であることが命取りになるのなら、子にその道をどのように教えればよいのか。
もし法がすでに正しさを失っているなら、なぜ子に法を守れと教えねばならないのか。

アラン・ユーの死は、単なる一人の俳優の問題ではなく、
「善良に生きることは報われるのか」という、社会全体への問いへと変わっていった。

 

華人社会で起きた「大覚醒」

この事件をきっかけに、中国語圏では明らかな異変が起きた。

それまで政治的な話題を避けてきた若者たちが、それまで共産党を公然と批判しなかった人々が、初めて「意難平(このままでは納得できない)」と口にし始めた。

その背景には、市民調査によって浮かび上がった構図がある。
事件の加害者リストとして名前が挙がったのは、単なる個人ではなく、芸能界の大物、共産党特権階級の人物、公権力の関与、さらには共産党最高指導部にまで疑いが及ぶというものだった。

だからこそ、異常な封殺が行われた。これは国家ぐるみで覆い隠された犯罪として受け止めるようになった。

アラン・ユーの名前は、もはや一人の俳優を指すものではない。
二千万人を超えるフォロワーを持つ有名人でさえ、虫けらのように葬られるのなら、何の後ろ盾もない自分たちは、どうなるのか。

「次は自分かもしれない」。この恐怖と怒りを一つに束ねる象徴となった。

これほど多くの華人が、これほど明確に共産党体制そのものに疑問を突きつけた事例は、過去にほとんどない。

 

台湾の各地に設置されているアラン・ユー事件への署名を呼びかける巨大パネルや映像。(SNSより)

 

「全民ホームズ現象」と「地上の追跡」

アラン・ユー事件が特異なのは、単なる芸能人の死にとどまらず、多くの市民が自発的に調査や検証に乗り出した点にある。こうした動きは、中国語圏で「全民ホームズ」と呼ばれる現象にまで発展した。

 

于朦朧は自ら画像編集を行うことが多かったとされ、ネット上では、彼の過去投稿の写真の“瞳”に、まるで別画像を溶け込ませたような不自然な景色が映り込んでいるとして、市民が独自に拡大検証を進めている。中には複数の男女や、裸で吊るされた人物、血痕のような跡など、犯罪現場を思わせるものが見えるとする声もあり、全民ホームズ現象を象徴する動きとなっている。(スクリーンショット)

 

しかし、国家ぐるみの封殺の前に、地上の追跡は完全に行き詰まった。

周囲住民の多くは、悲鳴や争う声を聞いただけで金や命の脅しによって沈黙を強いられ、実際に現場を目撃し助けを求めようとした住民については、事件当時その場で射殺されたとする説が共有され、その人数は11人に上るとも語られてきた。

警察や司法は機能せず、捜査の中枢からトップに至るまで隠ぺいに加担しているとの指摘が広がった。この状況では、市民がどれほど情報や「証拠」を積み上げても、それが法の場で扱われることはない。

司法や制度による真相解明はもはや望めない――中国共産党体制が存続する限り、この事件の全貌が公にされることはないだろう、という諦念が市民の間に広がった。

地上の追跡は、意志が尽きたのではない。
追うべき証拠も、辿るべき証人も、すでに消し去られてしまったという現実が、人々の前に立ちはだかったのである。

 

霊界という「最後の追跡」

公式ルートからは何も出てこない。出てきてはならない。
真相へ続く地上の道は、すでに閉ざされていた。

その行き場のない状況の中で、人々は霊媒やEVP(電子音声現象)へと向かった。
それは信仰ではない。追跡をやめないための最後の手段だった。

 

台湾の霊的探検チーム「204檔案(204 Files)」による于朦朧の霊との交信画面、誕生日を尋ねると正確な日付が返ってきた場面と交信前の準備の様子(下)(映像よりスクリーンショット)

 

結果として、英国、米国、台湾など、国も文化も宗教的背景も、通霊の方法も異なる霊媒、命理師、EVP研究者たちが、互いに連絡を取ることなく、同じ事件に関与し始めた。

なかには、霊的手段で警察に協力し、実際に多くの未解決事件に関わってきた著名な霊媒も含まれている。

 

米国の霊媒カンディス・スターによる于朦朧との通霊画面(映像よりスクリーンショット)

 

注目を集めたのは、彼らがほぼ同じ核心にたどり着いた点だった。

霊媒たちが共通して示したのは、アラン・ユーの死が事故や自死ではなく、意図的な殺害である可能性、長期間にわたる暴力や性的搾取、監禁の存在、さらに、生贄とされる行為を含む儀式的な利用や、組織的な搾取という構図である。

また、本人が事前に強い危険を察知していた点や、背後に組織的なネットワークが存在するという認識に加え、こうした構図がアラン・ユー一人に限らず、現在もなお多くの著名人が監禁され、同様の形で利用や搾取を受けている現実があるという指摘も、複数の霊媒による通霊内容の中で共通して浮かび上がってきた。

個々の霊媒の具体的な発言や手法については、これまでの連載で詳しく紹介してきた。
方法も国籍も経験も異なる者たちが、「監禁」「利用」「儀式」「暴力」「組織的搾取」という同じ構図にたどり着いた偶然は、あまりにも重い。

 

米国の霊媒デボラ・マクドナルド(Deborah MacDonald)が、通霊用の装置を使ってアラン・ユーと交信したとされる動画。(デボラのYouTubeチャンネルよりスクリーンショット)

 

この流れの中で、2026年1月10日、英国の霊能者タイ・ウィリアム(TY WILLIAM)による最新の通霊内容が新たに注目を集めた。交信の中で語られたのは、事件の「証拠」に直接関わる具体的な話である。アラン・ユーは、犯行に関わる者たちにとって致命的な情報が入った赤いUSBメモリの存在に言及し、それを生前、誰にも知られていない場所に隠したと語ったという。その所在を知る人物は、加害側の人間でも有名人でもなく、事件当時、現場で何かを目撃した可能性のある「ごく普通の職員」である可能性が示された。

その続きとして語られたのが、USBメモリをめぐる現在の状況である。犯人たちはいまだそれを見つけられておらず、呪術師を通じて邪悪な超常的手段に頼りながら、所在を必死に探しているものの、成果は得られていないという。さらに時間軸についても言及があり、2026年から2027年にかけてが、隠されてきた悪行が崩れ始める転換点として語られ、「邪悪な勢力グループ」に関する大きなスキャンダルが、予想外の形で、想像以上に早く表に出る可能性が示唆された。

 

タイ・ウィリアムのYouTubeチャンネルのページ。 (画面のスクリーンショット)

 

霊媒の証言は、科学的に検証することはできない。
だが、まったく異なるルートが、同じ地点を指し示しているという事実は、
市民調査やネット上の考察を、さらに加速させた。

地上の証言、映像、痕跡、
そして霊媒を通して届いた断片は、別々の場所から集まり、
やがて一枚の絵として、輪郭を現し始めている。

それは、公式発表が語る「偶発的事故」とは、あまりにもかけ離れた姿だった。

 

米国の霊媒スローン・ベラ(Sloan Bella)が公開した、アラン・ユー(于朦朧)との通霊に関する動画。(画面のスクリーンショット)

 

いま起きているのは、誰か一人の力ではない。
警察でも、メディアでも、政府でもない。
名もなき人々の、粘り強い追跡が、
地上と霊界の両方から、真実を浮かび上がらせている。

霊媒たちが共通して語っているのは、
「段階的に表に出る」「数年かけて崩れていく」という時間感覚だ。
その中で、2026年という年は、
隠されてきたものが動き出す節目として、繰り返し語られている。

2026年が何をもたらすのかは、誰にも断言できない。
しかし少なくとも、
「この事件を終わらせることはできなかった」
という事実だけは、すでに明らかになっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!