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「血管の掃除人」キクラゲ 3つの薬膳レシピで生活習慣病を予防

キクラゲは「血管の掃除人」とも呼ばれ、生活習慣病(高血圧・高血糖・高脂血症、いわゆる「三高」)の予防や心血管の保護に効果があるとされています。

台湾の中医学の名家「懐生堂」の第五代伝承者である医師・張維鈞氏は、新唐人テレビの番組『健康1+1』で、キクラゲと漢方薬を組み合わせて、心筋梗塞を患った中学生を治療した父親の経験を紹介し、三高対策に役立つキクラゲを使った薬膳レシピを三つご紹介します。
 

キクラゲの血管保護作用

中医学によると、キクラゲには「活血化瘀(血流を促進し、うっ血を解消する)」作用があり、血液循環が悪い体質の人に適しています。たとえば、高血圧、生理痛で血の塊がある人、手足がしびれやすい人、体のこりや痛みを感じやすい人などです。主な効果は以下のとおりです:

  • 抗凝固作用: 研究によると、キクラゲ多糖には血液の凝固を防ぐ働きがあり、血栓の予防に役立ちます。
     
  • 血糖値の低下: キクラゲに含まれる多糖は、インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる働きがあるとされています。また、抗酸化作用もあり、酸化ストレスによる糖尿病の改善にも効果があると見られています。
     
  • 体を潤す作用: キクラゲはゼラチン質を多く含み、中医学では「潤燥(体内の乾きを和らげる)」作用があるとされます。口の乾き、舌の渇き、便秘、肌のかさつきなどに有効で、血液の流れもスムーズにすると言われています。
     
  • 血液の冷却と止血効果: 中医学では、キクラゲは血中の余分な「熱」(炎症などを指す)を取り除く作用があり、痔出血や鼻血など、熱による出血に対して特に効果的です。
     

キクラゲは腸の健康にも役立つ

血管を守る働きに加え、キクラゲに豊富に含まれる多糖類は腸の健康にも良いとされています。腸内の善玉菌のエサとなり、腸粘膜の損傷を修復する可能性もあるといわれています。

近年の研究では、腸内環境と心血管の健康が深く関係していることが明らかになっており、腸内細菌は宿主の代謝に影響を与え、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気にも関与しているとされています。

おすすめの食べ方

張維鈞医師によると、キクラゲの「活血(血行促進)」や「血管保護」の効果を最大限に引き出すには、以下の食べ方がおすすめです。

キクラゲは生姜と一緒に調理するのが適しており、例えば「キクラゲと赤身肉のおかゆ」や「キクラゲと赤身肉のスープ」に、生姜を2〜3枚加えることで、血の滞りを改善し、経絡(気の通り道)を通じさせ、血管の詰まりを防ぐ効果が期待できます。

【キクラゲと赤身肉の活血スープ】

材料:乾燥キクラゲ10g、ナツメ6個、生姜スライス3枚、赤身肉(豚または鶏)約110g、塩少々

作り方:キクラゲを洗って2時間ほど水に浸す。生姜は薄切りに、赤身肉は食べやすい大きさに切る。すべての材料を鍋に入れ、水6杯分を加えて煮て、最終的に半分になるまで煮詰める。塩で味を調整して完成。

食べ方:食事の前にスープとして飲み、具材のキクラゲや肉はおかずとして一緒に食べる。1週間連続して摂取した後は、3〜5日に1回のペースに切り替えるのがおすすめです。
 

【キクラゲとくるみ・クコの実のとろみ煮】

材料:キクラゲ3〜5枚、くるみ2個、クコの実10粒、ナツメ4個

作り方:キクラゲは水で戻し、くるみは殻をむく。ナツメとクコの実は洗っておく。材料を電気鍋に入れ、材料が隠れる程度の水を加え、約10分間煮る。普通の鍋を使う場合は、沸騰後に弱火で約10分煮る。

食べ方:毎朝空腹時に食べるのが理想的です。
中医学では、クコの実は肝と腎を補い、精を養い、視力を助けるとされています。研究でも、クコの実には酸化ストレスを軽減し、血中脂質やコレステロールを下げる効果があり、心血管疾患の予防に役立つことが示されています。
 

【キクラゲとサンザシ・玄米のおかゆ】

材料:キクラゲ10g、サンザシ10g、玄米50g

作り方:すべての材料を鍋に入れ、約1時間半煮て、玄米が柔らかくなったら完成。

キクラゲに含まれる多糖類と、サンザシに含まれるフラボノイドが組み合わさることで、血中脂質を下げる相乗効果が期待されます。玄米にはサンザシの薬効を和らげ、胃への刺激を軽減する働きもあります。

張維鈞医師は、市販のキクラゲドリンクには糖分が加えられていることが多いため、注意が必要だと指摘しています。砂糖の摂りすぎは血中脂肪を増やし、キクラゲの血脂低下効果を相殺してしまいます。自家製で甘味を加える場合は、クコの実やステビアなどの自然な甘味料を使うのが望ましいです。
 

生キクラゲ vs 乾燥キクラゲ

薬膳や食養生において、生のキクラゲと乾燥キクラゲのどちらを使うべきか? 張維鈞医師によると、市販されている両者にはそれぞれの特徴があります。

1. 生キクラゲ

長所:水溶性ビタミンが多く残っており、食感もよいため、料理の風味が引き立ちます。

短所:水分量が多いため、全体的な栄養濃度は低くなります。また、安全面では注意が必要で、生のキクラゲには光に反応する成分が含まれており、十分に加熱せずに食べた状態で日光に当たると、アレルギーや湿疹を引き起こす可能性があります。したがって、生のキクラゲは必ずよく加熱調理する必要があります。一般的には、5分以上の加熱が推奨されています。

2. 乾燥キクラゲ

長所:保存しやすく、日常の薬膳料理に最適です。一部のビタミンは失われるものの、水分が少ないため、ミネラルや微量元素(鉄、カルシウムなど)、食物繊維の割合が高くなります。

短所:戻す手間がかかります。特に戻す際には常温で一晩放置しないよう注意が必要です。常温放置は細菌が繁殖しやすく、食中毒の原因になることがあります。
 

キクラゲの食べ過ぎに注意する4タイプの人

張維鈞医師は、キクラゲが体に良いとされていても、すべての人に大量摂取が適しているわけではないと注意を促しています。以下の4タイプの人は特に注意が必要です。

1. 出血性の症状がある人

歯ぐきから出血しやすい人や、月経の出血が多い女性は、キクラゲの摂取に注意が必要です。キクラゲには「活血(血流を促進)」の作用があるため、出血を助長する恐れがあります。ただし、貧血が原因で歯ぐきから出血している場合には、鉄分が豊富なキクラゲが役立つ可能性もあります。

2. 手術前後の人

キクラゲには血液を固まりにくくする「抗凝血」作用があるため、手術中や術後に出血リスクが高まる可能性があります。手術前後の時期には避けたほうが無難です。

3. 妊婦

健康な妊婦がキクラゲを多く摂取することはおすすめできません。活血作用により、胎児の安定を妨げ、流産のリスクが高まる恐れがあります。ただし、過去に胎児の発育不全や死産の経験があり、その原因が血液の粘度にあると考えられる場合には、適量のキクラゲが血液の流れを良くし、妊娠の成功率を高める助けになることもあります。

4. 胃腸が張りやすい、または下痢をしやすい人

キクラゲは食物繊維が非常に豊富なため、急に大量に摂取すると、胃の張りや不快感、ひどい場合は胸苦しさを引き起こすことがあります。また、繊維が腸を刺激し、もともと下痢しやすい人には症状を悪化させる可能性もあります。こうした人がキクラゲを食べる際は、千切り生姜や黒こしょうなどと一緒に調理すると、胃腸への負担を和らげることができます。
 
 (翻訳編集 華山律)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
林一山