中共軍委副主席の張又俠が拘束された後、中国軍の運用状況に異例の異常が生じている。写真はイメージ (Kevin Frayer/Getty Images)

張又俠の拘束後 軍が混乱 命令は実行されず 習近平は収拾に苦慮

中国共産党軍に近い複数の関係者によると、張又俠と劉振立が中国当局の調査対象となった後、中央軍事委員会が軍に出した複数の指示が、末端部隊で広く受け入れられていない。中央軍委弁公庁が各戦区や集団軍に配布した少なくとも2件の文書は実行に移されず、命令が軍内で機能しない状態となり、中国共産党軍の運営にまれな異常が生じているという。

中共軍内部の消息筋は、現在、中央軍委で実質的に中枢に残っているのは習近平と張升民の2人だけだと述べた。張又俠と劉振立が相次いで調査を受けたことについて、軍内では、武官系統を中心とする従来の権力構造に対する集中的な粛清と受け止められており、その結果、複数の大戦区で将兵の強い不満が直接噴出したという。

消息筋によると、中央軍委は1月24日、国防部の通告と解放軍報の社説を通じ、張又俠と劉振立が「立件審査・調査」を受けていると対外的に発表した。この情報は軍内に急速に広まり、各軍種で強い反応が出た。複数の将兵は、中央が明確な証拠を一切示さないまま、軍内で長年威望を持ち「老首長」と呼ばれてきた高級将領2人を拘束し調査したことに、私的に疑問を抱いているという。

▶ 続きを読む
関連記事
中国共産党が出入境管理の新規定を前倒し試行。東南アジア行きの渡航とテック・金融人材、富裕層を重点審査し、電子データ提出や出国禁止も可能に。海外資産課税強化への警戒が富裕層に広がるなか、日本のビジネス渡航者にも影響が及ぶ恐れがある
中共軍の「八一」建軍記念レセプションで、中央軍事委員会委員の出席は確認できず、事実上の格下げとの指摘が出ている。専門家は、習近平による軍内粛清と人事の機能不全が背景にあると分析
張又俠と劉振立の調査後、中共軍の重要ポストは後任不在のまま。習近平は指揮体制の再建より、規律検査による軍統制を優先しているとの見方も
中共第21回党大会を前に、高官の摘発が加速している。2026年上半期に処分された省・閣僚級以上の幹部は74人に上り、前年同期の2倍を超えた。専門家は、相次ぐ処分によって官僚の間に不満や動揺が広がっているという
中共は7月23日、元幹部3人に対する厳重処分を相次いで発表した。温家宝元首相の元秘書が「偽造身分証」を使用していたという異例の罪名が浮き彫りになったほか、機密漏えいや大学内の不正など、中共官僚機構の深い腐敗構造が改めて露呈