(大紀元)
~必死に生きすぎて、苦しくなった夜に~

こころコラム|「終わり」を想像すると見えてくるもの

毎日、必死だ。

子どもの将来。

家計。

仕事。

周りの目。

「ちゃんとしなきゃ」

「もっと頑張らなきゃ」

気がつけば、息が浅くなっている。

この、息をする間もないくらい忙しくて、

心も体も削られていく生活が、

このままずっと続くのではないかという錯覚すらしてくる。

やることは山ほどある。

今以上に頑張らなければいけないのに、

心の奥から小さな声が聞こえる。

「もう頑張りたくない」

「もう無理」

「疲れた」

心が悲鳴をあげている。

それは自分が一番わかっている。

でも、やめるわけにもいかない。

だからまた、自分を追い込む。

まさしく、悪循環。

そんなときは、

一時間だけでもいい。

誰にも邪魔されない時間と空間をつくって、

まっさらな紙とお気に入りのペン、

そして好きな紅茶かコーヒーを用意する。

そして、紙にこう書いてみる。

「もし今日までの命だったとしたら?」

命には限りがあるという事実を、ほんの少しだけ思い出してみる。

すると、不思議と優先順位が変わる。

今、怒っていることは、本当に最後の日まで持っていたい感情だろうか。

今、必死で握っているものは、命と引き換えにするほど大切だろうか。

たぶん、違う。

最後に何を残したい?

誰に、何を伝えたい?

そして、ここまで精一杯生きてきた自分に、どんな言葉をかけたい?

もし誰も頭をなでてくれないなら、自分で、自分の頭をそっとなでてあげて。

「えらいよ」そう声に出してみて。

どんな言葉をかけたら喜ぶのかは、自分が一番知っているはずだから。

時には死を想像することは、何を大切にして生きたいかを、はっきりさせるための問いだ。

生きることに必死すぎて、疲れきってしまったら。

静かに、自分に問いかけてみる。

きっと、守るべきものと、手放していいものが、自然と見えてくる。

そして気づく。

幸い、明日は来る。

まだ生きていられる。

やり残したことをやるチャンスがある。

大切な人に、まだ触れられる。

それだけで、

今日をもう一度、生きてみようと思える。

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