遺伝子検査が切り開く がん種横断治療のカギ
がん治療が徐々に「精密医療」の時代へと進む中でも、多くの患者さんは医師にこう尋ねます。「私には、ほかに使える薬はありますか?」これまで、その答えは、がんがどの臓器に発生したかによってほぼ決まっていました。肺がんなら肺がん、胃がんなら胃がん、肝がんや胆管がんにも、それぞれ決まった治療の流れがあったのです。しかし、この10年ほどで、こうした従来の考え方を大きく変える新しい医療の枠組みが登場しました。それが、Pan-Tumor(がん種横断)治療です。
がん種横断治療の目的は、「どんながんにも効く万能薬」を作ることではありません。治療の焦点を、がんが発生した臓器の場所から、がんそのものの本質へと移すことにあります。特定の薬が使えるかどうかは、腫瘍がどこから来たかではなく、「治療可能な分子レベルの弱点」を持っているかどうかで判断されるのです。
その弱点を見つけ出すために、最も重要な方法が、新世代シーケンサー(NGS)を用いた遺伝子検査です。がん種横断治療の時代において、患者さんが精密医療を受けられるかどうかは、特定の遺伝子変化が検出されるかどうかにかかっています。
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