(防衛省)

防衛省 認知戦を安全保障上の重要課題に 戦略的コミュニケーション強化へ

SNSやAI技術の発達により、武力だけでなく人々の認識や心理に影響を与える「認知戦」が、安全保障上の重大な課題となっている。防衛省が令和8年6月に資料を公表し、その中では、認知戦に対する危機感と、これを踏まえた戦略的な情報発信のあり方が示された。

防衛省は、ロシアによるウクライナ侵略を認知戦の典型的な事例として挙げている。ロシアは、西側メディアを模したなりすましサイトや偽のSNSアカウントを用い、「ウクライナ人が自国の都市を砲撃している」「NATOはウクライナを見捨てる」といった捏造記事を拡散した。また、ゼレンスキー大統領が降伏を呼びかける精巧なディープフェイク動画を流布し、一時的な混乱と不信感をあおった。

そうした認知戦に対し、ウクライナ側も戦略的な発信で対抗。政府公式アカウントを通じてリアルタイムの情報提供を行ったほか、広告代理店と協力し、国民の勇敢さをたたえるブランド戦略を展開した。さらに、偽情報の監視などを担う「戦略的コミュニケーション・情報安全保障センター(SPRAVDI)」を設立し、偽情報対策を進めた。

▶ 続きを読む
関連記事
元海上自衛隊幹部の山本勝也氏は20日、日本は米国と同盟関係にあるものの、中国(中共)が日本の沿岸領土で展開する「グレーゾーン」戦術への対応は、日本が主導しなければならないと述べた。
中共軍の無人機2機が10月19日、沖縄本島と宮古島の間を通過した。同区間の無人機通過の公表は今年度初。16~18日には艦艇7隻も通航し、20日も有人機の飛行が相次いだ。小泉防衛相は無人機への対応の必要性を強調した
2026年度上半期の空自の緊急発進は442回で、前年同期比約67%増。中共機への対応が285回と最多を占める一方、ロシア機への対応は152回と約2.6倍に増えた。北部・西部でも対応が大幅に増加した
防衛省統合幕僚監部は10月14日、中共海軍の空母「遼寧」を含む艦艇計4隻が沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋へ進出したと発表。石垣島の南約250キロの海域で「遼寧」から艦載戦闘機が発着艦する様子も確認された
小泉防衛相は10月14日の衆院予算委で、中共政府の「新型軍国主義」言説に「核兵器も戦略爆撃機も持っていない国に対し、いずれも持つ国がそう主張する」と指摘。中共政府の言説に「共感する国がいるのか」と疑問を呈した