中共軍の無人機が沖縄・宮古間を通過 日本周辺で艦艇7隻も相次ぎ通航

2026/10/20
更新: 2026/10/20

中国共産党(中共)軍の無人機2機が10月19日、沖縄本島と宮古島の間を通過し、航空自衛隊が戦闘機を緊急発進させて対応した。防衛省による同区間の無人機通過の公表は今年度初めて。16~18日には艦艇計7隻も同区間や大隅海峡を通航しており、小泉進次郎防衛相が20日の閣議後の記者会見で無人機への対応の必要性を強調した。

無人機2機が飛行 BZK-005とTB-001の経路

防衛省統合幕僚監部によると、19日午前から午後にかけて、偵察型無人機「BZK-005」1機と情報収集機「Y-9」1機が東シナ海から飛来した。2機は沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に出た後、洋上で旋回し、同じ経路で大陸方面へ戻った。

同じ日の午前から午後にかけては、偵察/攻撃型無人機「TB-001」1機も東シナ海から飛来した。与那国島と台湾の間を南下して太平洋に出た後、南西諸島の東側を北上し、奄美大島沖まで飛行した。その後、進路を変え、沖縄本島と宮古島の間を通って大陸方面へ戻った。

航空自衛隊は、南西航空方面隊の戦闘機などを緊急発進させて対応した。

TB-001は、中高度を長時間飛行できる無人機で、偵察だけでなく攻撃にも使えるとされる。二つの尾翼を持つ機体の形から、中国では「双尾蝎」と呼ばれている。防衛省は「偵察/攻撃型無人機」と表記している。

19日は、偵察型のBZK-005と、攻撃能力も持つTB-001が、別々の経路で南西諸島周辺を飛行した。

10月14日にも、中国の無人機とみられる1機が与那国島と台湾の間を通過し、太平洋に出ている。1週間足らずの間に、無人機の太平洋への進出が繰り返されたことになる。

無人機活動の公表回数 2024年度は前年度の約3倍

小泉防衛相は会見で「近年は我が国周辺において無人機の活動が活発化している」と述べた。

中共軍の無人機の活動について、防衛省が公表した回数は、2023年度が8回、2024年度が23回、2025年度が16回である。2024年度は前年度の約3倍に増え、2025年度も2023年度を上回った。

無人機は、乗員を危険にさらさずに長時間飛行できる。このため、相手の防空態勢やレーダーの反応、戦闘機が緊急発進するまでの時間などを調べる手段となる。

一方、自衛隊がそのたびに有人の戦闘機で対応すれば、燃料の消費や機体の消耗が進み、操縦士の負担も増える。比較的安価な無人機に、高価な有人戦闘機で対応する場合、費用の面でも課題がある。警戒を続けながら、装備や人員の負担をどう抑えるかが問われる。

軍艦艇7隻が通航 情報収集艦2隻は太平洋へ

海上でも、中共軍の艦艇の動きが確認された。統合幕僚監部が19日に発表した内容は、次のとおりである。

中共軍艦艇の動き

このうち、ドンディアオ級情報収集艦2隻は、沖縄本島と宮古島の間、大隅海峡という別々の経路で、相次いで太平洋へ出た。

同級は、通信やレーダーなどの電波情報を集める艦艇である。日本やアメリカの電波情報を広い範囲で集める狙いも考えられるが、今回の発表だけでは目的は分からない。

大隅海峡を通過したフユ級高速戦闘支援艦は、空母部隊など、外洋で長期間活動する艦隊に燃料や弾薬を補給する役割を担う。太平洋へ出た各艦が、今後どの海域で活動するかも注目される。

10月20日もY-9が2機飛来 空自が緊急発進

20日にも、Y-9の飛行が相次いで確認された。

統合幕僚監部によると、午前から午後にかけて、Y-9哨戒機1機が東シナ海から飛来した。沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に出た後、奄美大島沖まで飛行した。その後、進路を変え、再び沖縄本島と宮古島の間を通って大陸方面へ戻った。

前日にTB-001が飛行した空域と、ほぼ重なる空域を飛んだことになる。

同日午後には、別のY-9情報収集機1機が大陸方面から飛来した。東シナ海上で、長崎県の男女群島南方沖と沖縄本島北西沖の間を往復した後、大陸方面へ戻った。

航空自衛隊は、いずれの飛行に対しても、南西航空方面隊などの戦闘機を緊急発進させて対応した。

小泉防衛相「新たな戦い方への対応が必要」

小泉防衛相は、今回の無人機の飛行について、「正に新たな戦い方への対応、無人機への対応の必要性を示すもの」と述べた。

そのうえで、防衛省が進める戦略三文書の改定に触れ、「国民の皆様にも、こういった安全保障環境の変化を丁寧にお伝えをして、御理解いただけるようにしたい」と語った。

戦略三文書は、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画である。

ロシアとウクライナの戦争では、比較的安価な無人機が大量に使われ、戦闘で重要な役割を担うようになった。中共軍も、偵察や監視、攻撃に使う無人機を増強しているとみられる。

南西諸島周辺で繰り返される飛行には、平時の情報収集に加え、有事を想定した飛行経路や日本側の反応を確かめる狙いも考えられる。ただし、公表された経路だけでは、個々の飛行の目的は判断できない。

16日から20日までの5日間に、南西諸島周辺では無人機と有人機の飛行が相次いだ。海上でも、駆逐艦や補給艦、情報収集艦が沖縄本島と宮古島の間や大隅海峡を通航した。

戦略三文書の改定では、こうした活動への対応も課題となる。無人機を見つけ、その種類などを見分ける能力をどう高めるか。費用や装備、人員の負担を抑えながら対応するための具体策が問われる。