2025年7月11日、ワシントンの米国務省(Saule Loeb/AFP via Getty Images)

米国務省 中共の越境弾圧に対抗へ 法輪功学習者の保護を表明

米国務省は大紀元時報に対し、アメリカ国内で行われる中国共産党(中共)政権による越境弾圧に対抗し、法輪功学習者など弱い立場の人々を守る方針だと明らかにした。

国務省報道官は7月21日、「われわれは、国家主権を守り、地域社会の安全を確保し、外国政府や政権が米国内の個人の声を封じ、威嚇し、嫌がらせを行い、危害を加え、または強要しようとする行為から人々を守ることに尽力している」と述べた。

報道官はまた、「中共による弾圧は中国の国境をはるかに越えて広がっている。中国(中共)当局者やその代理人は、アメリカを含む海外で、中共を批判する人々を脅迫し、嫌がらせを行い、威嚇している」と指摘した。

法輪功は「真・善・忍」の原則に基づく、5式の動作を伴う精神修養法である。1990年代に口コミで急速に広がり、学習者は推定7千万〜1億人に達した。

7月20日、法輪功学習者は、中共による迫害が始まってから27年を迎えた。

国務省当局者は「中共は1990年代に法輪功を推奨していたが、その後、政治的理由からこの修煉法を根絶するための運動を展開し、中国国内および世界各地で学習者とその家族を標的にしてきた」と述べた。

ニューヨークに拠点を置く法輪大法情報センターは最近の調査で、2020年からの5年間に600件以上の越境弾圧事例を記録した。

国務省は「中共はアメリカや他国で越境弾圧を行っており、多くの場合、中国系移民を標的にしている。特に人権擁護者や活動家、学生、記者、反体制派のほか、香港人、ウイグル人、チベット人、法輪功を含む特定の宗教・精神的団体の信仰者が狙われている」と述べた。

越境弾圧への懸念をさらに高めているのが、中国で新たに採択された「民族団結法」である。批判者らは、この法律により中共政権がアメリカやその他の地域の人々を標的にできるようになると指摘している。

2026年7月19日、ニューヨーク市で、法輪功学習者が中国共産党による27年にわたる迫害の停止を求めてパレードを行った(Larry Dye / 大紀元)

 

「自国民の敵」

超党派の議員らも、法輪功学習者とともに迫害開始からの節目に声を上げた。

中共は、法輪功の広がりが政権の権力を脅かすと恐れ、1999年7月20日に法輪功を根絶するための苛烈な運動を開始した。数え切れないほどの学習者が恣意的な拘束、強制労働、拷問、さらには強制臓器摘収奪をされてきた。

上院外交委員会に所属するリック・スコット上院議員は動画で、「中共はアメリカの生活様式に対する直接的な脅威であり、自国民の敵である」と述べた。

スコット氏は、昨年下院に共同提出した「法輪功保護法」について、中国で国家ぐるみで行われている強制臓器収奪に関与、または責任を負う個人に対し、米国が制裁を科すことを可能にするものだと説明した。

同議員は「われわれは声を上げ続け、共産主義中国政府にその恐ろしい犯罪の責任を取らせ続けなければならない」と述べた。

2023年7月11日、ワシントンの米連邦議会議事堂で記者会見するリック・スコット上院議員(共和党、フロリダ州選出)(Madalina Vasiliu / 大紀元)

 

同法案は2025年5月に下院を通過した。上院版である「法輪功および強制臓器収奪被害者保護法」は、6月に上院外交委員会を通過した。

下院外交委員会に所属するジョー・ウィルソン下院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)は、迫害を終わらせるための取り組みを評価した。

ウィルソン議員は声明で、「中国共産党は自由を恐れている。法輪功に対する暴力は容認されない」と述べた。

現在も続く犯罪

大紀元時報は2006年、中共が良心の囚人、つまり政治的・宗教的信念を理由に拘束された人々を殺害し、主に法輪功学習者から移植手術用の臓器を摘出していると報じた。

この疑惑はその後、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏を含む独立調査者らによって確認された。マタス氏は著書『Bloody Harvest』で調査結果を記録している。

2018年6月20日、ワシントンで行われた集会で、デービッド・キルガー氏(左)とともに「フレンズ・オブ・法輪功人権賞」を受賞したデービッド・マタス氏(右)が発言した(Samira Bouaou / 大紀元)

2019年、ロンドンに拠点を置く独立民衆法廷「中国法廷」は、中国共産党政権が長年にわたり良心の囚人から強制的に臓器を摘出してきたと結論づけた。主な被害者は法輪功学習者だった。

同法廷は、法輪功学習者やウイグル人の囚人に対して実施された医学検査について、「臓器機能を評価するために用いられる方法を強く示唆している」と認定した。

大紀元時報の上級編集者であるヤン・ジェキエレク氏は、3月に出版したベストセラー『Killed to Order(受注殺人)』の中で、その証拠を詳述した。同書は、中共による強制臓器収奪が産業規模で行われ、推定90億ドル規模の産業になった過程を検証している。

サム・グレーブス下院議員は書簡で、法輪功に対する中共の行為を「残酷で不公正」と表現した。

同議員は「中共は殺人、臓器収奪、大規模な不当投獄、良心に反する拷問といった人権侵害を日常的に行っている」と述べ、これらの行為は「共産主義イデオロギーを推し進めるため」に行われていると指摘した。

「大量虐殺に当たるこうした行為は到底許されるものではなく、今日の世界にあってはならない」

エマニュエル・クリーバー下院議員は、信教の自由は「中国の法輪功学習者にあまりにも長く否定されてきた」権利だと述べた。

同議員は書簡で、「信念、平和的な実践、精神性との関わりを理由に逮捕、拘束、殺害されることは容認できない」と述べ、「人道を守るには、迫害に反対しなければならない」と強調した。

2016年11月8日、ミズーリ州カンザスシティのアップタウン・シアターで発言するエマニュエル・クリーバー下院議員(民主党ミズーリ州選出)(Whitney Curtis/Getty Images)

1999年に迫害が始まってから4か月後、クリス・スミス下院議員は、虐待を非難する決議案を提出した。

スミス氏は今年7月21日、「強大な権威主義政権による甚大な圧力と威嚇にもかかわらず、法輪功の不屈の精神は打ち砕かれていない」と述べた。

同議員は声明で、この迫害は「過去の歴史の一章として閉じられたものではない」とし、「現在も続く犯罪であり、責任者は正義の裁きを受けることになると知るべきだ」と述べた。

さらに、アメリカに対し、「拘束されているすべての学習者の釈放を求め、法輪功に対する残虐行為に責任を負う中共当局者に制裁を科す」よう呼びかけた。

2026年5月14日、ワシントンの連邦議会で開かれた公聴会に出席する、中国問題に関する連邦議会・行政府委員会のクリス・スミス共同委員長(共和党、ニュージャージー州選出)(Madalina Kilroy / 大紀元)

 

越境弾圧

法輪大法情報センターは6月の報告書で、2024年にブルックリンで行われたパレードで複数の法輪功学習者が暴行を受けた事例を挙げた。

別の事件は2月、ニューヨーク市最大のチャイナタウンがあるフラッシング地区で発生した。黒っぽい服装の男が法輪功学習者の後頭部を殴り、地面に倒した。

ガス・ビリラキス下院議員は、こうした事件に「深い懸念」を示した。

同議員は「外国政府がアメリカの地で、憲法上の権利を合法的に行使している個人に嫌がらせを行い、脅迫し、抑圧しようとするいかなる試みも容認できない」と述べた。

2026年1月22日、連邦議会で開かれた国際宗教間会議「自由のもとに団結する 精神的外交官の台頭」で発言するガス・ビリラキス下院議員(共和党、フロリダ州選出)(Madalina Kilroy / 大紀元)

ビリラキス氏は、下院の対中共特別委員会に所属し、2024年に「越境弾圧政策法案」を提出した。同法案の条項の一つは、越境弾圧に責任があると認定された外国の関係者に対し、米大統領が資産制裁およびビザ制裁を科すよう求めている。

ビリラキス氏は、中共の弾圧に直面しながらも勇気を示す法輪功学習者を称賛し、「真・善・忍」への彼らの姿勢は、「専制政治でも人間の精神を消し去ることはできないという力強い教訓だ」と述べた。

ジェームズ・ウォーキンショー下院議員とトム・ティファニー下院議員はいずれも、この迫害の節目は連帯を思い起こさせるものだと述べた。

ウォーキンショー氏は、アメリカは長年、信教の自由を支持してきたとし、この重い節目は、人権侵害の責任追及を進め、基本的自由を促進するという国際社会の責任を改めて問いかけていると述べた。

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