面接では、求職者は通常、自分の経歴を魅力的に語ることができる。しかし、自分をうまく見せる方法を知っているだけでは十分ではない。面接官は履歴書について知ろうとするだけでなく、回答や細部から、その人物が本当に実力を持っているのか、それとも単に自分をうまく見せることに長けているだけなのかを判断する。
この面接について、テスラのCEOのイーロン・マスク氏には独自の方法がある。その中でも特に好んで尋ねる一つの質問は、うそをついている人物を見分けるのに役立つことが研究でも確認されているという。
マスク氏はかつて、ドイツの自動車誌『アウト・ビルト』(Auto Bild)に対し、人材を選ぶ際に重要なのは、求職者がどの学校を卒業したか、どのような学歴を持っているかではないとの考えを示した。
マスク氏の会社に入るには「必ずしも大学の学位は必要なく、高校の学歴さえ必要ない」という。求職者が優れた能力を持っていることを証明できるかどうかを、より重視しているからである。
マスク氏はどのように求職者の「うそを見抜く」のか
マスク氏は2017年の世界政府サミット(World Government Summit)で、誰でも自分には優れた能力があると主張できるが、相手が本当に実力を持っているかを確認するのは容易ではないと語った。このため、面接では毎回、次の質問をするという。
「あなたがこれまで対処した中で最も難しかった問題と、それをどのように解決したのかを教えてくれないか」
マスク氏によると、求職者には難しい問題に対処したプロセスを一つずつ説明してもらい、それによって「応募者が自分で解決したと主張する問題を、本当に本人が解決したのか、それとも別の誰かが重要な役割を果たしていたのか」を確認するという。
マスク氏によると、仮に話を捏造していたとしても、裏付けとなる細部を示すことは難しいという。
「本当に問題を解決したことのある人は、自分が実際にどのように解決したのかを非常によく分かっている。細部を知っており、具体的に説明することができる」
さらに、「通常、苦労して何とか問題を解決した人は、その細部を非常によく覚えており、簡単には忘れない」と語った。
「過去に優れた成果を上げた人は、将来も優れた成果を上げ続ける可能性が高い」

研究でも確認 マスク氏の「うそを見抜く面接法」は有効
興味深いことに、マスク氏が相手のうそを見抜く方法がかなり有効であることは、研究でも確認されている。
学術誌『記憶と認知の応用研究(Journal of Applied Research in Memory and Cognition)』に掲載された研究によると、特定の面接での質問方法は、うそをついている人物を見分けるのに役立つという。
その一つが「非対称情報管理(Asymmetric Information Management、AIM」と呼ばれる方法である。面接を受ける人に詳細な情報を提供するよう促すことで、面接官が、その人物が事情を明確に把握しているのか、それとも何かを隠しているのかを判断できるようにする。
英国ポーツマス大学の上級研究員で、研究著者のコーディ・ポーター氏は、「細部は法医学的調査の生命線であり、調査員に検証すべき事実や、事情を聞く必要のある証人についての情報を提供する。重要なのは、より長く詳細な供述には通常、短い供述よりも、欺瞞を明らかにする手掛かりが多く含まれていることである」と述べた。
同氏は面接官に対し、出来事の経緯をより完全かつ詳細に説明すればするほど、うそをついているかどうかを判断しやすくなることを、求職者にはっきり伝えるよう勧めている。
研究によると、AIMの手法を用いた場合、「真実を話している人」は通常、自らの潔白を証明するため、より多くの細部を自発的に提供する。一方、うそをついている人は、話せば話すほど矛盾を見破られやすくなると考えるため、細部をあまり話さない傾向がある。
研究チームはさらに、AIMの手法を用いることで、うそをついている人物を見分ける確率が約70%高まったことを確認した。
(本稿はCNBCとYahoo! Financeの報道を参考にしている)
責任編集:李琳
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