美食の街・台南。実は、飲み物にもこの土地ならではの魅力が息づいています。
60年続く老舗のピーナッツミルク、シンガポール発祥のミロ・ダイナソー。漢方や花々を使った薬膳茶に、氷滴抽出の高山茶、ウイスキーグラスで味わう台湾茶など、個性豊かな一杯がそろいます。
台南の街を歩きながら、人々に愛される味に出会う。今回は、台南ならではのドリンク6選をご紹介します。
懐かしの台湾ドリンク
まず最初に紹介するのは、小学校のそばで60年続く老舗茶店です。地元の人々から子どもの頃から親しまれ、長年愛され続けてきました。
レトロな冷凍ケースには、あらかじめ冷やされた飲み物がずらり。氷を加えなくても冷たく、どこか懐かしい味わいです。

看板メニューは香ばしいピーナッツミルクです。ほかにも、地元で人気のサトウキビミルクやサトウキビレモン、昔ながらの紅茶もおすすめです。
市場で見つけた小さなシンガポール
次は昔ながらの雰囲気が漂う「伝統市場」の一角に佇む、知る人ぞ知るシンガポール料理店です。店主は現地の老舗で修業を重ね、茶器や香辛料もシンガポールから取り寄せたようです。
まずおすすめなのは、シンガポールの国民的ドリンク「ミロ・ダイナソー」そのまま飲むのはもちろん、クラッカーと合わせたり、シャーベット状の氷にミロパウダーをのせたり、楽しみ方はいろいろです。

シンガポール産のミロを使用しており、甘さは控えめ。濃厚でありながら、すっきりとした飲み口が楽しめます。
店主おすすめのレモンティーは、黄レモンと自家製シロップで仕上げた爽やかな味わいが魅力です。
さらに、胡椒の香り豊かな肉骨茶(バクテー)やカヤトースト、本場仕込みのラクサ、エビ麺なども楽しめます。

台南の「伝統市場」で、本格的なシンガポールの味に出会えました。
花と薬草が織りなす、台湾の漢方茶
次は西洋のハーブティーとはひと味違う、漢方を取り入れたハーブティーです。
緑に囲まれた店に入ると、店主が迎えてくれました。店主は漢方薬店の家に生まれ、薬草と様々な花を組み合わせ、客一人ひとりに合わせた漢方茶をブレンドしています。

「今日はどんなお茶にしましょうか?」
私は「どうやって選ぶんですか?」と聞いてみました。
すると店主は「まずは、自分の体の声に耳を傾けてみてください。その声を聞きながら、お話を伺います」と言いました。
美と健康を意識した「菩提清安茶」
菩提葉やマリーゴールド、レモングラス、ローズなどに、麦門冬(バクモンドウ)や浮小麦(フショウバク)を加えたオリジナルブレンドです。
店主は心と体を穏やかに整え、季節の変わり目には、肌のうるおいを保つことも大切だといいます。
店主がその場で薬草を選び、煮出す姿は、まるで昔ながらの漢方薬店を訪れたかのようです。
「飲んでいるうちに、眠ってしまう方もいます。そんな時は、ゆっくり休んでもらうんです。十分に眠ったあと、元気を取り戻して帰っていく姿を見ると、うれしくなります。ここを訪れた皆さんに、できるだけリラックスして過ごしてほしい。そして、いつもより少し歩みをゆるめ、心も身体もゆっくり休ませてほしいと思っています」と店主は思いを語ってくれました。
ハーブの香りに包まれながら、温かな一杯をゆっくりと。台湾ならではの養生文化に触れながら、心と体をゆっくり整えるひとときでした。
店主は茶菓子にも、こだわりがあります。台南名物の「椪餅(ポンビン) 」に卵や薬膳素材を加えて焼き上げた「椪烘蛋」は、香ばしく、体もほんのり温まります。台南の老舗が作った「フルーツ餅」は、新鮮な果物の甘酸っぱい餡が特徴で、お茶との相性も抜群です。

店内にはブレンド済みの漢方茶も。お気に入りの一杯を、家でも楽しめます。お茶好きの方は、ぜひ訪ねてみてください。
続いては、茶葉そのものの味わいを楽しめる、純茶のお店をご紹介します。
甘い飲み物のイメージが強い台南ですが、地元の人たちに親しまれているのは、実は無糖のお茶。ひと口含むと、茶葉の豊かな香りと奥深い味わいが静かに広がります。
小さな茶店、こだわりの茶氷
次に紹介するのは細い路地を入ったところにある、小さな茶店。わざわざ細い路地に入って足を運ぶ人も多い、人気のお店です。
今回いただくのは、金萱茶と東方美人茶。どちらも無糖です。もう一杯は、炭焙烏龍茶のミルクティーで、こちらは微糖です。
ここの特徴は、選んだ茶葉で作る「茶氷」です。氷もお茶なので、最後まで味わいが薄まりません。
一度に3杯のお茶が買えるなんて、なんだか幸せな気分になりますね。

路地を一本入って、ゆっくり歩く。そして、ゆっくり味わう。そんなひとときも、台南の旅の楽しみです。
まずは金萱茶から。 やさしい茶の香りが広がり、すっと喉を通ります。 ひと口飲めば、体の中まで涼しくなるような心地よさです。
続いては東方美人茶。砂糖を加えなくても、紅茶を思わせる甘い香りがふんわりと感じられます。東方美人茶ならではの、蜜のような芳醇な香りです。

そして、もう一杯は炭火焙煎の烏龍茶のミルクティー。こちらはほんのり甘みを加え、茶とミルクの風味を引き立てています。さらに、均質機を使うことで、きめ細かくなめらかな口当たりに。茶へのこだわりが、最後の一杯にも息づいています。
台南の人々が大切にしてきた、食へのこだわり。その心は、一杯のお茶にも息づいていました。
ワイングラスで楽しむ台湾茶
今度は赤崁楼(せきかんろう)の近くにある、洗練された雰囲気の台湾茶専門店です。一見すると宝石店のようですが、台湾のドリンクチェーンが手がける新ブランドの旗艦店です。
茶葉は標高1500メートルを超える梨山の契約茶園から。独自の氷滴製法で抽出した一杯を、まずは無料で味わえます。

店内に入ると、黄金色のお茶がワイングラスで運ばれてきました。
「香りをより引き立てるために、高脚グラスを使っています」と店主が説明してくれました。
グラスに揺れる黄金色の液体。まるでワインを楽しむように、その香りを感じます。冷たく飲めば爽やかに、温めればまろやかに。飲み方によって異なる表情を見せてくれるのも、このお茶の魅力です。
香りや余韻をゆっくりと楽しむひととき。台湾茶の新たな楽しみ方に出会えます。
ウイスキーボトルで楽しむ台湾茶
最後は白を基調とした開放的な茶屋です。民家が並ぶ街並みの中でも、ひときわ目を引く存在ですね。
台湾最高級の高山茶を、ウイスキーボトルで楽しむ。そんなユニークなスタイルも、この店の魅力です。
運ばれてきたのは、ウイスキーボトルに入った琥珀色の紅茶。
「お酒ではなく、お茶を楽しむ大人の時間」をコンセプトに、あえて酒器を使っているのだそうです。
グラスに注ぎ、ゆっくりと香りを楽しむひととき。まるでお酒をたしなむように、台湾茶の新たな魅力を味わえます。

独自の製法で熱湯抽出したあと、冷却し、さらに茶葉の風味をなじませて仕上げます。
そのため、温かく淹れたお茶のような豊かな旨みがありながら、口当たりはひんやり爽やか。濃厚な味わいと清涼感を同時に楽しめる一杯です。
続いては、炭火焙煎の烏龍茶。こちらは、お店おすすめの茶氷です。
グラスに4分の1ほど注ぎ、茶氷をゆっくりと溶かしながら味わいます。茶氷が溶けるにつれて、香りや味わいも少しずつ変化していきます。
茶葉にもこだわりがあります。阿里山や南投の契約茶園で育てられた茶葉を使用し、職人の技で一杯ずつ丁寧に淹れています。
お茶を飲み終えるころには、氷もすっかり溶け、心までほっと癒やされるような気分に。
お茶をもっと自由に、もっとおしゃれに。そんな新しい楽しみ方を提案してくれます。

さらに人気なのが、台湾茶を使った生チーズケーキです。
ドーナツのような愛らしい見た目ですが、ひと口頬張ると、なめらかな口どけとともに茶の香りが広がります。お茶と一緒に楽しみたい、こだわりの一品です。
半屋外の開放的な席では、昼はやわらかな陽光を、夜はにぎやかな街の空気を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせます。深夜0時まで営業しているので、台南の夜風に吹かれながら、お茶を片手にくつろぐのもおすすめです。
今回ご紹介したのは、台南で出会える個性豊かな6軒のドリンク店。レトロな懐かしの味から、漢方茶、そして上質な台湾茶まで、その魅力は実にさまざまです。
飲み物の選択肢の豊かさも、台南ならではの楽しみのひとつ。
台南を訪れた際は、お気に入りの一杯を探しながら、飲み歩きの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
1000歩的繽紛台湾から転載
https://www.ganjingworld.com/video/1frsh438br74AGBaNVKWi0DDv1db1c
(翻訳編集・蘇燕)
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