「慢性炎症は健康の大敵」抗炎症食8つのポイント

慢性炎症とは、さまざまな原因によって体の組織が損傷を受け、その部位の回復が長引いたため、痛みや発熱が「激しくはないが継続している状態」を指します。

このような慢性炎症が続くと体全体の健康に不都合をきたして、糖尿病高血圧、心疾患、肝疾患、認知症がんなどの誘因になることもあります。

まずは「食事面からの改善」を

近年の研究によると、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、ω(オメガ)6脂肪酸の過剰摂取は慢性炎症の発生を促進することが判っています。一方、ω-3脂肪酸が豊富な食事および低コレステロールの食事は、慢性炎症の発生を抑制します。

また、高血糖は炎症を促進します、糖分を多く含む飲み物や菓子、精製でんぷん類を多く食べることは炎症の促進につながります。

食物繊維が豊富な食品は、炎症の予防に役立ちます。ビタミンC、Eも抗酸化及び抗炎症の特性をもっているので、野菜や果物を多く食べることは抗炎症、抗酸化に役立ちます。

ビタミンDにも炎症を抑える働きがあるため、ビタミンDを多く含む食品を食べ、日光を適度に浴びることも炎症を抑える働きがあります。
さらに、肥満を避け、適正な体重を維持することが慢性炎症を予防する「鍵」です。

肥満は炎症指数を増加させます。全身的かつ長期的な慢性炎症は、心血管疾患や糖尿病などのリスクを確実に高めますので、肥満気味の人は、努めて減量を心掛けてください。

「抗炎症食」8つのポイント

1、「赤い肉」よりも「白い肉」を多くする
 

「赤い肉」とは獣肉(牛肉・豚肉)を指し、「白い肉」は家禽肉(鶏肉など)を指します。

タンパク質は十分に摂る必要がありますので、肉料理を食事のメニューに入れるなら、鶏むね肉などの「白い肉」を多く使ってください。

同じく良質なタンパク源であるイワシサンマサバサケマグロなどの魚類には、豊富なω-3脂肪酸が含まれていますので抗炎症に役立ちます。

2、ω-9脂肪酸を含む油脂を使用する

ラードや牛脂などの動物性油は飽和脂肪酸が含まれ、一般的な植物油はω-6脂肪酸が多く含まれていますが、どちらも炎症を促進してしまいます。

家庭での調理には、動物性油や一般的な植物油の代わりに、ω-9脂肪酸を豊富に含むオリーブ油や苦茶油(カメリア油)などの油脂を使ってください。ω-9脂肪酸は炎症を促進しません。

 

3、揚げ物や高脂肪の食物は控える

前述のように、一般的な食用油はω-6脂肪酸が多く含まれているため、炎症を促進する恐れがあります。市販の揚げ物や高脂肪の料理は、なるべく控えた方がいいでしょう。
 

4、「悪い油」を遠ざける
 

トランス脂肪酸や水素添加油を含むマーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの食品や、その油脂を使った菓子類を食べるのは控えましょう。
 

5、糖類を食べるなら「良質な糖」を選んで

高血糖は炎症を促進します。体に必要な糖類は、全粒穀物や根茎類を多く食べることで摂取しましょう。精製した小麦粉の菓子やパン、白飯などは、なるべく控えてください。やむを得ず食パンや白米を主食とする場合は、おかずの副菜で栄養バランスをとるようにすれば、血糖の急上昇を遅らせることができます。
 

6、「砂糖入り」の市販飲料を遠ざける

ジュース、サイダー、コーラなどの砂糖が入った飲料や、砂糖が入ったお菓子は控えてください。

7、野菜や果物を多く食べる
 

野菜や果物はフィチン、食物繊維、ビタミンCなど炎症を防ぐ栄養素を多く含んでいます。色鮮やかな野菜や果物を「虹の七色」に従って選び、積極的に食べましょう。

8、ハーブやスパイスを効果的に取り入れる
 

ハーブやスパイスの多くには抗炎症や抗酸化作用のあるフィチンが含まれています。調理の際には、ローズマリー、ウコン、ショウガ、ニンニクなどを工夫して、効果的に使ってください。

(翻訳編集・鳥飼聡)