【北京コレクション】(8)老舗が軒を並べる街・前門①

【大紀元日本7月2日】明・清時代の皇帝の住まいであった紫禁城(今は故宮博物院)の南に広大な天安門広場が広がり、その南にかつては門前町であった庶民の街・前門が広がります。そこには、さまざまな業種の老舗が軒を連ねていたのですが、2006年夏に訪れたときには、区画整理のため最も賑やかだった「大柵欄」とその周辺の胡同を含め、大規模な取り壊しが行われているところでした。

その一帯は、清末から中華民国にかけての雰囲気を再現したレトロな街に生まれ変わる(予定ではすでに生まれ変わっているはず)とのことですが、それはあくまでも観光客向けの街でしかなく、一旦取り壊されてしまった、かつての庶民の生活の匂いがぷんぷんしていた胡同が再現されることはないでしょう。

ここに紹介する写真は、取り壊される前の2003年夏に撮影されたものです。

天安門広場の南の端から南北に前門大通りが伸びている。その通りの入り口にある門。この通りから一歩横に入れば、庶民の生活の匂いがする胡同が縦横に伸びている。(撮影=JF、2003.07)

前門付近の胡同の中でも、多くの老舗が軒を連ね、最も賑やかであった「大柵欄」の通り。この通りはかつては花街で、夜中に遊女が逃げ出さないよう、通りの端の門が閉じられたという。「大柵欄」の名前はその名残り。(撮影=JF、2003.07)

大柵欄の通り。漢方薬の老舗「同仁堂」の看板が見える。さらに奥には、天津の肉まんの老舗「狗不理」の支店の看板も見える。(撮影=JF、2003.07)

大柵欄の通り。絹織物の老舗「瑞蚨祥」の看板が見える。(撮影=JF、2003.07)

お茶の老舗「張一元茶庄」。この建物は元は妓楼だったのかもしれない。(撮影=JF、2003.07)

大柵欄からさらに奥に入った胡同。この通りに一歩足を踏み入れれば、庶民の生活の匂いがぷんぷんする。赤い看板は、イスラム教徒のためのシャブシャブの店。(撮影=JF、2003.07)

(DZ)