【紀元曙光】2021年1月6日

昨日、東京都のウイルス新規感染者は1278人。
▼変わらぬ多さであるが、本稿で取り上げたいのは数字の多寡についてではない。この中共ウイルスは、恐るべき感染症をもたらす以外に、別の「有害性」をもつ。見えないウイルスが社会不安をあおることにより、人々の関心を独占して、それ以外のことを思考させないという弊害である。
▼「大相撲の横綱まで感染した」とニュースが伝えれば、もう日本人の関心がそっちへ持っていかれてしまう。一昨年から、香港では、学生や市民が街頭へ出て、正当な権利である香港の自由と民主を要求した。なにも周庭(アグネス・チョウ)さんが群衆を「扇動」したわけではない。しかし中共は、そのシンボルである彼女に狙いをつけて拘束し、重罪犯を収容する刑務所に入れた。
▼彼女が、刑務所内で「精神が崩壊するような扱い」を受けていることは想像に難くない。そのことを日本の既存メディアが伝えるわけもないが、多くの日本人もまた(一部の憂国の人士を除けば)意識の外に置いたまま忘れているだろう。米国の次期大統領は、まだ決まっていない。いや選挙そのものに巨大な不正があった。それらの事実さえ、このウイルス禍の中で、多くの日本人は「自分ごと」として考えられなくなっている。
▼中共ウイルスは極めて卑劣である。直接感染しなくても、社会全体に蔓延して恐怖をあおり、日本人の意識を、その元凶から逸らしてしまうのだ。
▼「緊急事態宣言」の是非や効力の有無ばかりで「番組」にする日本のテレビ各局。言い過ぎとは思うが「いい加減にしろ」である。