中国各地で鳥インフルエンザ続発、政府は情報隠ぺい

【大紀元日本10月27日】世界保健機構(WHO)と世界動物保健機構(OIE)がこれまで提供した情報によると、今年5月、中国北西部の青海省で大量の渡り鳥が鳥インフルエンザに感染死亡して以来、6月には新疆省で2回、8月にはチベットで相次ぎ感染が発生した。中国当局は十分な対策がなされないまま、8月に鳥インフルエンザ撲滅宣言をした。しかし、ここ半月で内モングルや、安徽省、湖南省などの各地で感染が公表され、感染は渡り鳥の移動ルートに沿って、北部から南部へ拡大しているのは明らかであるという。

中国当局の鳥インフルエンザ対応

今回の鳥インフルエンザ世界流行の発祥地は中国と見られているにもかかわらず、中国当局は国内メディアに報道規制を命じ、外国における鳥インフルエンザ発生状況と中国当局の予防措置しか報道されずに、国内での発生はほとんど報道されていない。深セン市のある主婦は、ラジオ自由アジア局(RFA)に「香港のテレビ報道で、はじめて国内で鳥インフルエンザが猛威を振っていることを知った。政府はあまりにも無責任」と怒りの声を寄せた。

中国社会科学院法学研究所の研究者・莫紀宏氏は、中国当局の管理対応の重大な問題点として、①感染地の認定基準が明確でない②ウィルス伝播源の制御に十分な措置が施されていない ③感染対象の認定が厳格ではない④感染家禽類の処分が徹底されていない⑤地域間の提携協力が円滑に行われていないため、感染拡散防止の妨げになっている、を指摘している。

中国農業部部長の高強氏は26日、安徽省と湖南省の感染はすでに落ち着き、人への感染はないと宣言したが、香港メディアは、現地住民が提供した情報を公開。それによると、湖南省付近の村で、鳥インフルエンザに感染死する鶏が後を絶たないが、現地政府は農民に自分で病死した鶏を埋めるよう命じただけである。さらに深刻なのが、2人の姉弟が死んだ鶏を食べた後、ともにインフルエンザの症状が現れ、長沙児童病院に入院したが、12歳の姉は17日に死亡し、9歳の弟は依然隔離治療を受けているという。一部の情報によると、各感染地の鳥類は処分されるどころか、市場で販売されているという。

ある中国農業部の官僚は「中国当局は伝染の拡大防止に十分な自信を持っている、メディアの余計な指図は不要だ」と海外メディアの追及を牽制した。

世界保健機構(WHO)などの国際団体、中国当局の対応に憂慮

2003年中国当局がSARS情報を隠蔽し続けたため、その結果、世界各地に伝染を広げ、800人以上の死者を出した。そのため、今回WHOと国連食糧農業機関(FAO)は、中国当局に対し、全面的に情報を公開し、鳥インフルエンザの撲滅に全面協力するよう呼びかけた。

FAOは「中国当局の許可なしに、専門家を感染地に派遣調査することはできない、中国の本当の伝染状況を把握するのは困難である」と明かし、当機構駐中国代表のモナ氏は25日、「今年中国で連続して鳥インフルエンザが発生した状況から、中国当局は十分な対策を施しておらず、国連への通報体制も不完全であり、改善すべき問題点が多くある」と指摘している。

WHOの関係者は、「中国当局は、最悪の状況に追い込まれない限り、我々には本当のことを明かさない」と厳しく批判した。

渡り鳥で鳥インフルエンザ世界各国に拡散

鳥インフルエンザは最近、ロシアやイラン、トルコ、ギリシャ、イギリス、タイ、クロアチアなどの各国で相次ぎ確認された。ウィルス検査の結果はほぼ今年5月中国青海省で大量感染死した渡り鳥と同じ、猛毒性のH5N1ウィルスであることが判明した。専門家らは渡り鳥が伝播源とみている。

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