中国の環境汚染、危険の臨界点に達する=中国当局

【大紀元日本8月20日】中国国家環境保護総局の潘岳・副局長は、「中国の環境汚染状況は、危険の臨界点に達している」と発言した。台湾メディア・中央社がこの発言を引用し、「中国の環境汚染が日々深刻になり、如何なる地区、如何なる都市、農村において、環境保護問題は避けて通れない問題となっている」と伝え、世界銀行の環境問題報告書などをあげて、中国の環境汚染の実情を分析した。

英国のフィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、世界銀行が作成した「中国環境汚染による損失」と題する報告書は、中国当局の強い干渉を受け、3分の1の内容が削除された。報告書の内容を公開すると、社会の不安定を及ぼすと中国当局は懸念しているという。

削除された主な内容は以下である。「中国の都市部で、大気汚染が極めて深刻で、年間において、35万人から40万人の死亡をもたらし、約30万人は室内空気の汚染により死亡。また、毎年、約6万人が水質不良のために、激しい下痢を患い、胃がん、肝臓がん、膀胱がんなどで死亡」。

世界銀行の公開した報告書では、「中国で、毎年、空気汚染と水汚染による経済損失は1千億ドルに相当し、GDPの5・8%を占めている」とされ、「全世界で汚染が最も深刻とされている20の都市のうち、中国はその6つを占め、首位は、四川省の攀枝花市、そのほかには、北京市、上海市、香港が含まれている」と指摘した。

また、報道では、中国の第十期目の「5ヵ年計画」が定めた空気と水質汚染を抑制する13項目の目標値のうち、10項目が達成しなかった。最も深刻なのは、二酸化硫黄の排出が、主に人口の密集地に集中していることだ。都市部の河川の9割が深刻に汚染され、多くの河は長年にわたり、魚が生息していない。海洋と湖の水質汚染が深刻で、75%の湖が被害を受けている。

農村地区では、人口の3分の2は水道水供給がない。飲用水汚染が深刻で、基準を満たさない。原因は土壌汚染。汚染された飲用水は、消化器官のがん、例えば、胃がん、肝臓がん、膀胱がんなどを誘発し、その発病率と死亡率は世界の平均値を遥かに超えている。

中国当局の政府機構・環境保護総局の資料は、「いま、都市を経由する河の9割は深刻に汚染され、3億人以上の農民の飲用水は汚染されている。4億人以上の都市部住民は、新鮮な空気を吸えない。昨年一年間、2日に1回の頻度で、突発的な環境汚染事故が発生し、年間延べ60万人が環境問題で陳情している」と記述。

今年5、6月の間に、江蘇省の太湖で汚染により藍藻が大量発生し、近隣の無錫市の水道水が悪臭を放った。その後、安徽省の巣湖や、雲南省滇池(ディエン・チー)、「長江の腎臓」と言われている湖南省の洞庭湖でも藍藻の大量発生が確認された。環境問題の専門家は、沿岸の工業廃水や、生活汚水が未処理のまま、流されているのが原因と分析している。

中国での深刻な環境汚染問題は国際社会の強い関心を呼んでいる。経済協力開発機構(OECD)が公表した中国環境保護の評価報告書は、「中国での急激な経済成長と、工業化、都市化は、環境に強い圧力をもたらし、国民の健康と自然資源に深刻な危害を招いた」と指摘し、中国当局に51項目の提案を上げた。

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