「タイム」誌:2007年世界十大科学発見

【大紀元日本12月19日】米週刊誌「タイム」は2007年度の科学領域における十大発見を選出し発表した。その内、幹細胞領域に関する発見が、今年何度も重大な進展を遂げたことから、トップとなった。

「タイム」によると、2007年11月日・米科学者らが、皮膚の細胞から、各種の組織のもとになる万能細胞の代表的なものである胚(はい)性幹(ES)細胞の複製に成功したことを発表した。その発表は胚性幹細胞の研究が直面する倫理問題を回避することができた。また、米オレゴン州ヘルス・アンド・サイエンス大学の研究チームは、初めてアカゲザルの胚胎の複製に成功し、胚性幹細胞系の抽出にも成功したという。これによって、人の胚胎および幹細胞の複製、抽出の成功にさらに一歩近づいたことになり、これらが、今年のもっとも重要な科学発見と評価された。

「タイム」によると、幹細胞研究の領域において、上述の最新情報はまだ医学療法に応用されていないが、幹細胞療法に希望を託している百万人以上と考えられる患者にとって、科学はさらに一歩前進したとみられる。

「タイム」誌が選んだその他の科学発見は次の通り。

.「科学怪人」と呼ばれる米科学者クレグ・ベンター氏(J. Craig Venter)と研究チームは、ベンター氏自身の「二倍体遺伝子配列」を測定した。すなわち、両親から遺伝を受け継いだ2セットの染色体遺伝子配列完成版ができたのだ。これまでになかった個人版全遺伝子配列を完成させた今回の研究発表は、人類が真の「個性化医療」時代へ一歩前進したと言えよう。

.天文学者は「チャンドラX線」宇宙望遠鏡を使って、これまでにもっとも明るくて大きい超新星の爆発を観測することができた。恒星SN2006gyが死亡し崩壊したときに観測された超新星の爆発は、まさしく「キング・オブ・超新星爆発」に相応しい壮観なものであった。

.多くの新種の生物が発見された。南極深海で大型の海クモなど700種類の新種が発見された。また、南アメリカのスリナムでも24の新種が発見された。

.英国科学者は骨髄幹細胞を利用して、人体心臓弁膜組織の培養に成功した。3~5年で人体移植用の人造心臓弁膜が培養できると推定している。

.英国科学者は今年、太陽系以外に地球と同じような惑星を発見した。発見された3つの「熱い木星」型太陽系以外の惑星は、表面温度が2000℃に達している。

.中国科学者は今年の6月に、今から7千万年前に存在していた巨大鳥型恐竜の化石を発見した。この化石は「二連巨盗龍」と命名された。

考古学者は1952年に南アフリカで発掘された遠い昔の人類の頭蓋骨の化石を新たに分析した結果、この頭蓋骨は3万6千年前のものであることが分かった。これによって、現代人類は約6万5千年前から2万5千年前までに「アフリカを出た」ことが証明できる。人類が「アフリカを出た」ことに関する確実な証拠はこれが初めて。

.英国科学者が、アイスランド海域で405歳のハマグリを発見した。これは、これまで発見されたもっとも長寿な動物である。

.地質学者はセルビアで白い粉状物を発見し、鑑定・分析を行った結果、映画スーパーマン・シリーズに登場するクリプトナイトという緑の発光鉱石、一種のナトリウム・リチウム・ホウ素・珪酸塩・水酸化物とほぼ同一の組成であることが確認された。現実の社会では、クリプトンは不活性ガス元素の名前なので、科学者はこの新しい鉱石を、発見した場所にちなんで「ジャダライト」(jadarite)と命名した。

(翻訳/編集・余靜)