恐竜の着ぐるみを着た大人たちが、全力で走っている。しかも、スタートの合図はまだだ。待ちきれずに走り出す恐竜までいた。その姿を見た周囲から笑いが広がった。
こんな光景が生まれたのは、台湾で1月10日開かれた「高雄富邦マラソン」だ。大会の名物企画として、恐竜の着ぐるみで走る「恐竜競速」が行われた。参加したのは200人以上。会場は最初から、ゆるい空気に包まれていた。

号砲が鳴ると、恐竜たちは一斉に前へ進む。着ぐるみは大きく、視界も狭い。
思うように走れず、体は左右に揺れる。ゴールに近づく頃には、頭が傾き、上下に跳ねながら息を切らす恐竜が続出した。
それでも、誰も真剣勝負ではない。沿道からは笑い声と拍手が飛ぶ。
走る恐竜も、見ている人も、みんな楽しそうだ。

参加者の多くは「去年テレビで見て面白そうだった」と話す。特別な練習はしていない。苦しそうな姿さえ、そのまま笑いになる。
この日は市議会議員も恐竜姿で参加した。さらに、地元の人気マスコット6体がリレーに登場し、会場を盛り上げた。順位は誰も気にしていない。覚えているのは、笑いながら走った時間だけだった。
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