有毒牛乳被害者が抗議活動中、販売業者から暴行

【大紀元日本11月2日】中国河南省鄭州市在住の身体障害者スポーツ選手・邢国輝さんは、有毒物質メラミン混入の「伊利牛乳」を飲用したため腎臓結石を患った。中国産牛乳のメラミン混入事件発覚後、裁判所は関連の訴訟案を受理しないため、邢さんはメーカーと販売業者に対し、損害賠償を求め続けてきたが、応じてもらえず、抗議活動中に関係者から暴行を受けたという。

邢さんは重量挙げの選手、鄭州市第三、四回障害者スポーツ大会で金メダル、第六回全国障害者スポーツ大会で第六位に入賞していた。2008年2月、邢さんは下腹部に激痛を覚え、排尿困難となり、血便の症状も現れた。検査の結果、尿道膀胱結石と診断され、石の大きさは31×17mmに達した。その後、2回の手術を受けた邢さんだが、結石はまだ体内に残っている。邢さんの証言によると、今年9月、事件が発覚するまでにメラミン混入の「伊利牛乳」を約7年間飲用し続けた。

中国当局の通達により、国内の裁判所は関連の訴訟案件を受理しないため、邢さんは同牛乳の販売業者「伊利河南総代理」や、メーカー「伊利公司」に対し、損害賠償を求めた。

相手にされないために、邢さんは自作の横断幕を掲げて、毎日午後3時から、同牛乳を購入したスーパーマーケット「思達超市」の前で座り込み抗議を続けた。10月24日、同スーパー前で抗議する邢さんは保安員に車椅子から引きずり落とされ、手などに傷を負った。翌日、邢さんは再び現場で抗議活動を遂行したが、またもや暴行を受け退散させられた。

車いすから引きずり落とされた邢さん(支援者提供)

邢さんは身体に障害を持っているため、収入が安定する仕事に就けず、その妻も今失業中である。息子は今年大学に入学したばかりで、年間の学費は1万元以上(約15万円)かかる。それに加え、腎臓結石を患った邢さんには継続治療が必要とされ、一家の生活は窮地に立たされている。

(記者・古清児、翻訳編集・叶子)