<新型インフル>山東省、死者急増 感染者報告隠ぺいも

【大紀元日本12月8日】先月28日、山東省衛生庁は、全省で3例目の新型インフルエンザによる死者が出たことを公表した。5日後、全省新型インフルエンザ予防会議では、感染状況は非常に深刻であり死者も13人になったと伝えている。病院関係者から寄せられた情報によると、同省では感染者報告を隠ぺいする現象が現れている。

5日で10人死亡

「山東省煙台大衆ネット」によると、山東省政府は3日、全省新型インフルエンザ予防対策のためにテレビ会議を開いた。3日午前零時までに全省で2千639例の確診が報告され、うち重症患者が133人、死者が13人と、かなり深刻な状況だ。

11月29日の「人民ネット」によると、28日に山東省済寧市衛生局が新型インフルエンザの死亡者数を3人と報告していたが、5日後にはさらに10人増えた。

山東省で最初に死者が出たのは11月16日で、威海市の4歳の男児だった。この男児は先月13日に入院。新型インフルエンザの重症患者と認定され、16日に死亡した。

「山東煙台ネット」のユーザーは、自分の同級生の隣に住む化粧品店の6歳の息子が、新型インフルエンザ感染後、3日間で死亡したが、煙台では報道されなかったとネット上で伝え、別のユーザーも自分の知っている妊婦も新型インフルエンザで死亡しており、少なくとも2例は伝えられていないとしている。

「真実を報告すると人々が不安に」

山東省威海市の私立病院に勤める医療関係者は、匿名条件で本紙の取材に応じ、当病院では発熱により診察を受けに来院する患者の数は少なくとも1日200人で、そのうち90パーセントは新型インフルエンザの感染者であると話した。ただ、真実の感染状況を伝えると不安が広がるので、本当の感染者数は上に報告していないという。

同氏は自分の新型インフルエンザ感染についても説明している。高熱が数日間続き、新型インフルエンザと診断され、報告病例になるところだったが、その後快復したので報告にリストアップされなかったという。

「新型インフルエンザの認定は、血液検査で選別し、さらに咽のサンプルを採取して調べる。新型インフルエンザと診断されるとタミフルを服用する。一箱156元。その他は液体抗ウイルス薬で、1回分126元かかり、3日間服用する。私の場合は医療保険が受けられないので、治療費は合わせて800元近くかかり、清算してくれるところはなかった」

同氏によると、インフルエンザの感染者が来院した場合、医師が必要と判断すれば、胸部写真を撮影し、肺に病変が見られなければ患者を家に帰す。患者が帰宅後発熱した場合は、再び来院してもらい、医師が次の治療法を考える。一般的に新型インフルエンザの重症患者と診断された患者は、入院を許可される。また、一般の新型インフルエンザ患者には、発熱の問診と小児科問診を経て、注射と薬を投与し、約1週間分の薬を出すという。

(翻訳編集・坂本)
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