【党文化の解体】第6章(20)

【大紀元日本4月3日】

6.党話が広められた結果

1)文化、言語の面で亡国となった中国の現実

人類の歴史上、外来の侵略者はある国の土地を占領できても、その国の民族精神が亡くならないかぎり、国民は簡単に屈服したりはしない。本章の始めに言及したが、言語はある民族の独特な精神風貌を形作している。そのため、侵略者は土地を占有する以外、往々にしてその民族の文化を滅ぼし、民族精神を壊滅させようとする。文化を載せる言語を滅ぼすのは、民族の文化と精神を壊滅させる最も有効な手段の一つである。例えば、1870年のフランスとプロイセン戦争でそのお、プロイセンがフランスを占領した後、被占領地域の学校でフランス語を禁止しドイツ語教育を強制的に広めていた。中国共産党は中華の伝統文化を壊滅させるために多くの手段を使っているが、言語を変異させるのはその中の一つである。

伝統文化の中の言語が「道徳を養い、品格を育成して、人間性を教化する」との使命を負っているのと相反して、中国共産党の言語は自分の利益のために存在するもので、偽りはその言語の魂となっている。中国共産党の言語は偽りだけでなく、またねじ曲げられたものでもある。党話はあいまいな語彙を使って、知らず知らずに中国人の思想を変異させ、言葉の中身をすり替えて、神様が中華民族に与えてくれた伝統と精神を消滅させた。中華の正統文化はすっかりなくなって、党文化によって全面的に取って代えられた。中華民族はこれで自然と調和がとれた関係を失って、世界の各国の中での位置づけを間違えて、人類の本来の精神と対立して、国民全体の生存方法は天の按配した軌跡とは背離するに陥った。

言語と文化の源は何であろうか、今日、多くの中国人はすでに分らなくなっており、中国語は元来はこのようであると思っている。党話の体系は民族精神と活力を抑制して、人類の敵対者である中国共産党の小手先になっている。

代々の中国人は中国文化の強い同化力を誇らしく思っている。輝かしい中国文化は平和時期に各国の拝謁を呼び起こせただけでなく、たとえ敗戦ないし喪国に至っても、異民族の文化を取り入れて同化させることにも成功していた。モンゴル人が作った元朝、満州族が作った清朝も、中華文化の博大さと奥深さに感動し、中華民族の文化と精神を受け継いで後世へ伝えた。

上記の分析を踏まえて、中華文化はすでに改ざんされて、中国共産党によって外来のマルクス・レーニンの邪悪主義に取って代わられ、内包がすっかり変えられた事実に、我々は直面しなければならない。文化と言語の面での中国はすでに滅ぼされて、中国人民はとっくに自分の国を失っている。

2)党話は中国人の生活を強制的に変えた

現代中国人が使う言語の中で、党話は最も活発で、最も行動力と支配力を持つ部分になったといえる。その支配力は、使用頻度と権威性の二つの面から捉えられる。

『現代中国語使用頻度辞書』に載せられている、現代中国語語彙(「の」、「と」などの虚詞を含む)の中で、一部代表的な党話言語の使用頻度のランクを見てみよう。「革命」は71位、「同志」は83位、「階級」は149位、「敵」は153位、「闘争」は209位、「解放」は285位、「指導(者)」は312位、「プロレタリア」は372位、「路線」は561位、「代表」は570位、「戦闘」は602位、「反動」は617位を占める。そして、「党」という言葉は伝統社会で決して常用語ではないが、中国共産党時代が始まって以来、「党」の使用頻度は早くも第119位まで上がって、「共産党」は331位まで上がって、二つを足せば、使用頻度の相当高い名詞になっている。これで中国共産党は今日の中国における一党独裁の地位が分かるだろう。

党話の権威性が大きいのは、党話が中国共産党の暴力を後ろ盾にして、政治、経済、司法、教育、報道など最も影響力のある言語領域を占めているからである。倫理道徳、衣食住、花鳥風月のような正常社会の言葉は完全に消えたわけでなはないが、縁に追いやられ、支配される地位に落ち込んでいる。中国人は進んで使いたいのではなくても、公の場でしかたなく党話を使わざるをえない。党話と党話のもたらした影響(中国共産党の理論は「学習」され「理解」される、中国共産党の政策は「貫徹」され「実行」される、など)は中国人の生活を強制的に変えて、中国人に深刻な災難をもたらした。

(続く)